📚 AIバックエンドシリーズ 前回:サブストレートは「ボリュームベータ」、テストソケットは「消耗品ベータ」 — 同じAI追い風でも構造はまったく異なる
前回の記事では、サブストレートとテストソケットを構造面から比較した。今回はもう一歩踏み込み、数値で比較する。AIバックエンドの11銘柄を同一の物差しで並べた — 2026年年初来騰落率、営業利益成長率、2026年・2027年予想PER、2026年予想営業利益率。「AIの勝ち組」の中でも、すでにどれだけ動いたか、残りの余地がどれだけあるかは大きく違う。一枚のテーブルが、大半のことを語ってくれる。
主要ポイント
- 純粋な「割安度」: SK hynix(2027年予想PER 5.2倍)、Samsung Electronics(5.6倍)、Haesung DS(15.4倍)。ただしメモリ大手は「サイクルピーク」リスクに支配されている。
- 「成長調整後バリュエーション」: Daeduck Electronics(2027年予想PER 27.1倍 vs 営業利益+34%)とSimmtech(20.0倍 vs 営業利益+59%)が最もよいセットアップ。
- 「すでに走りすぎ」: Samsung Electro-Mechanics(2026年年初来+296%、2026年予想PER 61.9倍)、Isu Petasys(2025年+346%も2026年年初来わずか+7%)、Simmtech(2025年+352%)。
- 「クオリティは高いがバリュエーションが重い」: LEENO Industrial(OPM 48.6%、2026年予想PER 41.2倍)、ISC(2026年予想PER 58.5倍)。
- 「適正価格での成長」: TSE(2026年予想営業利益+82%、PER 29.4倍)。
- 結論: AIバックエンド内での魅力度は サブストレート > テストソケット > メモリ大手 の順。サブストレートの中では、DaeduckとSimmtechが最もクリーンなセットアップだ。
1. 比較の組み立て方
1.1 データセット
| 項目 | ソース | 意味 |
|---|---|---|
| 2025年株価騰落率 | PyKRX | 昨年どれだけ上昇したか |
| 2026年年初来騰落率 | PyKRX | 今年どれだけ上昇したか |
| 2025年営業利益 前年比 | 会社開示 | 昨年の利益成長 |
| 2026年予想営業利益 前年比 | FnGuideコンセンサス | 今年の利益に対する市場の見方 |
| 2027年予想営業利益 前年比 | FnGuideコンセンサス | 来年の利益に対する市場の見方 |
| 2026年予想PER | FnGuideコンセンサス | 今年の利益に対するバリュエーション倍率 |
| 2027年予想PER | FnGuideコンセンサス | 来年の利益に対するバリュエーション倍率 |
| 2026年予想OPM | FnGuideコンセンサス | ビジネスモデルの利益率水準 |
基準日:2026年5月15日終値。
1.2 2026年予想PERより2027年予想PERが重要な理由
2026年予想PER:
→ 今年の予想利益に対する倍率
→ 1Q26の実績をすでに織り込んでいる
→ 短期的な四半期ノイズの影響を受けやすい
2027年予想PER:
→ 来年の予想利益に対する倍率
→ 「このサイクルは続くのか?」を反映する
→ 市場の本音が現れる数字
例:
A社:2026年予想PER 30倍、2027年予想PER 28倍
→ 市場は利益がほぼ横ばいと予想
→ 「安定成長」型
B社:2026年予想PER 30倍、2027年予想PER 15倍
→ 市場は利益がほぼ倍増すると予想
→ あるいはまだ市場が買っていない → 割安セットアップ
C社:2026年予想PER 7倍、2027年予想PER 5倍
→ 市場は利益の持続性を疑っている
→ 「サイクルピーク懸念」 — メモリ大手に典型的。
1.3 なぜ営業利益成長率をPERと合わせて読む必要があるか
PER単体では判断を誤る。
同じPER 30倍でも:
A:営業利益 前年比+20% → 30 ÷ 20 = 1.5
B:営業利益 前年比+60% → 30 ÷ 60 = 0.5
Bのほうがはるかに魅力的だ。
これがPEGレシオ(PER ÷ 営業利益成長率)の考え方。
≤1.0 割安、1.0〜2.0 適正、>2.0 割高。
本稿では簡略化した版として、
2027年予想PER × 2027年予想営業利益 前年比のマトリクスを使う。
2. 11銘柄、一枚のテーブル
2.1 基本比較
| バケット | 銘柄 | 2025年騰落率 | 2026年年初来 | 2025年営業利益 前年比 | 2026年予想営業利益 前年比 | 2027年予想営業利益 前年比 | 2026年予想PER | 2027年予想PER | 2026年予想OPM |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| メモリ | Samsung Electronics | +124.5% | +125.6% | +33.2% | +688.6% | +26.7% | 7.0倍 | 5.6倍 | 51.1% |
| メモリ | SK hynix | +280.3% | +179.4% | +101.2% | +433.1% | +36.0% | 6.8倍 | 5.2倍 | 75.9% |
| メモリ | Jeju Semiconductor | +186.4% | +212.3% | +274.0% | n/a | n/a | n/a | n/a | n/a |
| テストソケット | LEENO Industrial | +52.1% | +67.5% | +42.5% | +23.2% | +24.1% | 41.2倍 | 33.4倍 | 48.6% |
| テストソケット | ISC | +58.7% | +102.1% | +34.2% | +65.9% | +41.4% | 58.5倍 | 43.2倍 | 31.8% |
| テストソケット | TSE | +39.5% | +215.1% | +23.3% | +81.9% | +21.5% | 29.4倍 | 24.7倍 | 17.0% |
| サブストレート | Samsung Electro-Mechanics | +108.3% | +296.1% | +24.3% | +72.0% | +50.0% | 61.9倍 | 41.9倍 | 11.8% |
| サブストレート | Daeduck Electronics | +206.0% | +188.3% | +334.5% | +375.4% | +34.4% | 36.1倍 | 27.1倍 | 15.5% |
| サブストレート | Simmtech | +351.9% | +103.2% | 赤字→黒字 | +1,234.5% | +58.7% | 31.0倍 | 20.0倍 | 8.6% |
| サブストレート | Haesung DS | +140.6% | +57.3% | -18.3% | +99.6% | +36.6% | 20.3倍 | 15.4倍 | 11.4% |
| サブストレート | Isu Petasys | +346.5% | +7.4% | +100.9% | +57.1% | +33.0% | 35.6倍 | 26.7倍 | 21.1% |
2.2 読み方
列方向:
- 2025年騰落率が高い = すでに大きく上昇済み
- 2026年年初来が高い = 今年も依然強い
- 2026年予想営業利益 前年比が高い = 利益の爆発的成長が期待される
- 2027年予想PERが低い = 市場が利益持続性を疑っている
行方向:
- 昨年も強かったか(+200%以上)?
- 今年も強いか(+100%以上)?
- にもかかわらずバリュエーションが重くないか(2027年予想PER≤30倍)?
- 営業利益率は十分か(2026年予想OPM≥20%)?
この4つを満たす銘柄が最も魅力的。
3. 各バケットの読み解き
3.1 メモリ大手 — 「割安だが、サイクルピーク論争」
数字は圧倒的に見える:
SK hynix:2027年予想PER 5.2倍、OPM 75.9%
Samsung Electronics:2027年予想PER 5.6倍、OPM 51.1%
→ 普通の産業なら、PER 5倍は「倒産リスク」を意味する
→ メモリは違う。サイクルが転換すると、利益は半分以下に減る。
市場がなぜ5倍しか評価しないか:
「2026年の利益は認める。
2027〜28年も同水準が続くとは信じられない。」
これがメモリ投資の核心だ:
- サイクルピーク直前が最も割安に見える
- サイクルが転換した瞬間、PERは急騰する(EPSが崩壊するため)
- 「底値PER」で買うことが、実際には天井で買うことになりうる。
読み方:
SK hynix — HBMスーパーサイクルが2027年まで続くなら最有力。
サイクルが転換すれば大幅下落リスク。
Samsung — 組合リスク + HBMシェアへの疑念 = SK hynixに対してディスカウント。
Jeju Semi — コンセンサスなし;直接比較から除外。
3.2 テストソケット — 「クオリティは維持、バリュエーションは割高水準」
LEENO Industrial:
- OPM 48.6%(韓国製造業トップクラス)
- 2027年予想営業利益 前年比+24.1%(安定成長)
- 2027年予想PER 33.4倍
→ 読み方:最高品質だが、バリュエーションはすでに高い。
ISC:
- OPM 31.8%(非常に良好)
- 2027年予想営業利益 前年比+41.4%(力強い成長)
- 2027年予想PER 43.2倍
→ 読み方:最もクリーンなAIデータセンターベータだが、最もバリュエーションが重い。
TSE:
- OPM 17.0%(3社中最低)
- 2027年予想営業利益 前年比+21.5%(まずまず)
- 2027年予想PER 24.7倍(テストソケット内で最安値)
- 2026年年初来+215%(すでに大きく動いている)
→ 読み方:成長対価格のバランスが最良だが、年初来の上昇後は追いかけリスクあり。
読み方まとめ:
LEENOとISCを同じ「テストソケット株」として扱わないこと。
- LEENO = クオリティコンパウンダー(長期保有型)
- ISC = ダイレクトなAIデータセンターベータ(モメンタム型)
- TSE = バランス型「割安成長」オプション。
新規エントリーを一つ選ぶとすれば:
- 1年保有: LEENO(安定性)
- 6ヶ月モメンタム:TSE(割安成長)
- ダイレクトAI露出:ISC(スピード)。
3.3 サブストレート — 最も面白いバケット
Samsung Electro-Mechanics:
- 2026年年初来+296%(最大の上昇銘柄の一つ)
- 2026年予想PER 61.9倍 → 2027年予想PER 41.9倍
- OPM 11.8%(MLCC + FC-BGAのブレンド)
→ 優良企業だが、ここから追いかけるのは非効率。
Daeduck Electronics:
- 2025年+206%、2026年年初来+188%(持続的な強さ)
- 2026年予想PER 36.1倍 → 2027年予想PER 27.1倍
- OPM 15.5%(サブストレートグループ内トップ)
- 2026年予想営業利益 前年比+375%、2027年+34%
→ 数字がリーダーシュッププレミアムを正当化している。
Simmtech:
- 2025年+352%(最大の上昇銘柄)
- 2026年年初来+103%(依然強い)
- 2026年予想PER 31.0倍 → 2027年予想PER 20.0倍(最低)
- 2026年予想営業利益 前年比+1,234%(赤字→黒字)
- 2027年予想営業利益 前年比+58.7%
- OPM 8.6%(利益率のさらなる改善が必要)
→ ターンアラウンド + バリュエーション妙味 — ただし利益率の持続性は要確認。
Haesung DS:
- 2026年年初来+57%(グループ内で出遅れ)
- 2026年予想PER 20.3倍 → 2027年予想PER 15.4倍(グループ内最安値)
- 2026年予想営業利益 前年比+99.6%(非常に強い)
- OPM 11.4%
→ 最も割安な候補。リーダーシップ面では劣るが、
成長対価格のバランスは良好。
Isu Petasys:
- 2025年+346%(急騰した一年)
- 2026年年初来+7%(今年は休憩中)
- 2026年予想PER 35.6倍 → 2027年予想PER 26.7倍
- OPM 21.1%(サブストレート内最高)
→ 上昇の大半は昨年に先取りされた;現在は休憩中。
相対強度の回復を待つ。
4. 成長対バリュエーションのマトリクス — 最も直感的な視点
4.1 2027年予想PER × 2027年予想営業利益 前年比
X軸:2027年予想営業利益成長率
Y軸:2027年予想PER
低い ← PER → 高い
+5倍 --10倍---20倍---30倍---40倍---50倍 PER
+60% │ Simmtech
│
+50% │ Samsung Electro-Mechanics
│
+40% │ ISC
│
+35% │ SK hynix
│
+34% │ Daeduck Electronics
│
+36% │ Haesung DS
│
+33% │ Isu Petasys
│
+27% │ Samsung Electronics
│
+24% │ LEENO Industrial
│
+22% │ TSE
│
└──────────────────────────────
読み方:
- 右上(高PER + 低成長):割高
- 左下(低PER + 高成長):最良のバリュー
- 左上(低PER + 低成長):罠
- 右下(高PER + 高成長):モメンタム
最も魅力的なゾーン:
左(低PER)+ 上(高成長)= Simmtech、Daeduck
最も割高なゾーン:
右(高PER)+ 中程度の成長 = LEENO
特殊ゾーン:
左端(超低PER)= SK hynix、Samsung Electronics
→ 割安に見えるが、ここにサイクルピークリスクが潜む。
4.2 マトリクスから「真の割安感」を読む
簡略化PEG(PER ÷ 成長率):
Simmtech: 20.0 ÷ 58.7 = 0.34 ★★★★★
SK hynix: 5.2 ÷ 36.0 = 0.14 (メモリ例外)
Samsung Elec: 5.6 ÷ 26.7 = 0.21 (メモリ例外)
Haesung DS: 15.4 ÷ 36.6 = 0.42 ★★★★
Daeduck: 27.1 ÷ 34.4 = 0.79 ★★★★
Isu Petasys: 26.7 ÷ 33.0 = 0.81 ★★★
Samsung E-M: 41.9 ÷ 50.0 = 0.84 ★★★
TSE: 24.7 ÷ 21.5 = 1.15 ★★★
ISC: 43.2 ÷ 41.4 = 1.04 ★★★
LEENO: 33.4 ÷ 24.1 = 1.39 ★★
分類:
- ≤ 0.5:非常に割安
- 0.5〜1.0:割安
- 1.0〜1.5:適正
- ≥ 1.5:割高
メモリ大手はサイクルピークという特殊カテゴリ。
通常の基準では、Simmtech > Haesung DS > Daeduck。
LEENOはPEGで最も悪く見えるが、
利益の安定性と予測可能性は群を抜く。
「プレミアムバリュエーション」に値する銘柄であり、
PEGだけでは過小評価される。
5. バケット横断 — 「新規資金はどこに向けるべきか?」
5.1 サブストレート vs テストソケット vs メモリ
シナリオ1:「AIバックエンドの不足サイクルが続く」
→ サブストレートが最も魅力的
不足 → ASP上昇 → 利益率拡大
Daeduck Electronics、Simmtechがトップピック
シナリオ2:「AIチップの多様化がさらに進む」
→ テストソケットが最も魅力的
新しいチップ = 新しいソケット
LEENO Industrial、ISCがトップピック
シナリオ3:「HBMスーパーサイクルが2028年まで続く」
→ メモリ大手が最も魅力的
SK hynixがトップ(OPM 75.9%)
ただしサイクルピークリスクを受け入れる必要あり
最も堅実なアプローチ:
3つのバケットに分散 — 4:3:3 または 5:3:2。
5.2 11銘柄にわたる例示的配分
あくまでも例示。実際の投資アドバイスではない。
アグレッシブ型(短期モメンタム重視):
Daeduck 25% / Simmtech 20% / Samsung E-M 15%
ISC 15% / TSE 10% / SK hynix 15%
バランス型(成長 + 安定性):
Daeduck 20% / LEENO 20% / SK hynix 15%
Samsung E-M 15% / Haesung DS 10% / Simmtech 10%
TSE 10%
ディフェンシブ型(クオリティ重視):
LEENO 30% / Samsung E-M 20% / SK hynix 20%
Daeduck 15% / Haesung DS 15%
配分ルール:
1. OPMが高い銘柄 = ウェイトを大きく
2. バリュエーションの負担が重い銘柄 = ウェイトを小さく
3. 単一バケットへの集中を避ける
4. サイクルリスク銘柄のキャップを設ける。
6. 銘柄ごとのひと言まとめ
6.1 筆者の魅力度ランキング
| 順位 | 銘柄 | ひと言 |
|---|---|---|
| 1 | Daeduck Electronics | 成長・リーダーシップ・バリュエーションの最良のバランス。AIサーバー向けMLB / FC-BGAへのダイレクトベータ。 |
| 2 | Simmtech | 2027年予想での成長対PERセットアップが最良。2026年の利益率拡大の確認が必要。 |
| 3 | Haesung DS | 最も割安なサブストレート候補。リーダーシップ面では劣るが、成長対価格のバランスが強い。 |
| 4 | SK hynix | メモリのリーダー。スクリーニングでは割安;サイクルピークリスクが最大の変動要因。 |
| 5 | TSE | テストインターフェースグループ内で最良の割安成長。ただし2026年年初来+215% — すでに動いている。 |
| 6 | LEENO Industrial | 最高品質、バリュエーションは高め。1〜2年の中核保有として最適。 |
| 7 | Samsung Electro-Mechanics | 優良企業だが、年初来+296%・2026年予想PER 61.9倍では追いかけは非効率。 |
| 8 | ISC | 本物の成長があるが、最もバリュエーションが重い。最もクリーンなAIデータセンターベータ。 |
| 9 | Isu Petasys | 長期的な構造は強いが、年初来+7% — 相対強度の回復を待つ。 |
| 10 | Samsung Electronics | 数字では割安だが、HBMナラティブにおけるSK hynixへのディスカウントは実質的。 |
| 11 | Jeju Semiconductor | 株価も利益も強いが、2026〜27年のコンセンサスなし → 直接比較から除外。 |
6.2 エントリー前のチェックリスト
いずれかを買う前に:
1. マクロゲート(前回記事を参照)
- 米10年債利回り 4.45%以下
- Brent原油 105ドル以下
- USD/KRW 1,480以下
- VIX 18以下
→ 4項目中2〜3が安定してから新規買い。
2. 銘柄固有のカタリスト
- 四半期決算発表日
- 新規顧客のLTA(長期契約)発表
- 新工場の量産開始スケジュール(LEENO)
- 2Q26ガイダンス
3. スケーリングルール
- 一括買い禁止
- マクロゲートの状況に応じてサイズを調整
- 追いかけ買いより押し目エントリーを優先。
4. バケット分散
- 単一バケットへの集中を避ける
- メモリ / サブストレート / ソケットにわたる合理的なバランス。
7. よくある質問
7.1 「PERが一桁なのに、なぜメモリ大手が1位じゃないの?」
PER 5倍は「底値PER」に見えるが、
「底値EPS」に乗った倍率は危険だ。
メモリサイクルの罠:
サイクルピーク: 利益急増 → PER 5倍
サイクル下降期: 利益半減 → 同じ株価 → PER 10倍
サイクル底: 利益1/3 → 同じ株価 → PER 15倍超
つまりPER 5倍で買うということは:
- サイクルが続く → 大きなリターン
- サイクルが転換 → 同じ株価でPER 15倍に突然なる → 大きな損失
だからメモリ投資は
「どれだけ割安か?」ではなく
「サイクルはいつ転換するか?」という問いだ。
ここでメモリを1位にするには、
HBM4 / HBM4E需要の可視性、中国需要の回復、
AIカペックスの持続性に関する別途の確認が必要だ。
この記事はあくまでも横並び比較のみを行う —
そのためメモリ大手は、サイクルピークリスクを反映して中位に置く。
7.2 「SimmtechのPER 20倍は本物?」
Simmtechの2027年予想PER 20.0倍はコンセンサスベースの数字だ。
前提条件となるシグナル:
1. 2026年の営業利益が黒字転換し、
光学的な前年比+1,234%を生む(あくまでもベース効果;ランレートではない)
2. 2027年はOPMが8.6%を超えて拡大することが
「PER 20倍が実質的」であるための条件
3. AIメモリモジュール / SSDコントローラー向け
サブストレート売上の比率向上が必要 → 利益率ミックスの改善を確認。
リスク:
- 利益率回復がコンセンサスより遅れる可能性
- OPM 8.6%はサブストレート内で最低水準(vs Daeduck 15.5%)
- 1Q26決算がコンセンサス修正を引き起こす可能性。
読み方:
PER 20倍は「潜在的な」価値であり、まだ実現した価値ではない。
利益率回復が本当の試金石だ。
1Q26 / 2Q26の確認を待ってから積み増すこと。
7.3 「Samsung E-Mは優良企業なのに、なぜ7位?」
Samsung Electro-Mechanicsのファンダメンタルズは最高水準だ:
- AIサーバー向けFC-BGA + MLCC + カメラ露出の組み合わせ
- 1Q26営業利益 前年比+40%
- グローバルAI部品サプライチェーンのコアノード。
しかし価格面では:
- 2026年年初来+296%(11銘柄中最大の上昇の一つ)
- 2026年予想PER 61.9倍(バケット平均と比べ重い)
- OPM 11.8%(FC-BGA単体は高いが、カメラがブレンドを引き下げる)。
このランキングは「現在の株価における魅力度」であり、
「最良の長期保有銘柄」ではない。
長期コアポジションとしては、Samsung E-Mは高い評価に値する。
今日の株価における最良の成長対価格という基準では、
DaeduckとSimmtechがリードする。
8. 他の記事との連携
前回記事(構造比較):
→ サブストレート = 「ボリュームベータ」、テストソケット = 「消耗品ベータ」
→ バケット間の構造的な違い。
本記事(データ比較):
→ 各バケット内でどの銘柄が最も魅力的か
→ 単純なPERではなく「成長調整後バリュエーション」。
マクロサイクル総合記事:
→ 「株の前にサイクル」
→ マクロゲートが開いてからこれらの銘柄にスケールイン。
KOSPI暴落 + マクロゲート記事:
→ 5月15日の-6.12%急落後
→ 相対強度とマクロゲートの両方を監視
→ ここで使った銘柄選択のフレームワーク。
9. 一行結論
「AIバックエンドの勝ち組」の中でも、株価がどれだけ先行して仕事をしているかは大きく異なる。低PER ≠ 割安ではない。低PERは「市場がサイクルのピークを恐れている」(メモリ)ことを意味する場合もあれば、「市場がまだ買っていない」(ターンアラウンド銘柄)ことを意味する場合もある。
一枚のテーブルに並べると、絵は鮮明だ。PER × 営業利益成長率のマトリクスで最もよいセットアップはSimmtech、Daeduck Electronics、そしてHaesung DSだ。3銘柄がいずれもサブストレートというのは偶然ではない。サブストレートは今まさに「不足 → ASP上昇 → 利益率拡大」のサイクルの真っ只中にある。
テストソケット内では、LEENO Industrialがクオリティリーダーだがバリュエーションは高め;ISCが最もクリーンなAIデータセンターベータだが最もバリュエーションが重い。新規エントリーで最良の成長対価格を求めるなら、TSEが割安オプションとなる。
メモリ大手は数字は圧倒的だが、核心にサイクルピーク論争がある。SK hynixの2027年予想PER 5.2倍は、普通の産業なら倒産リスクを意味する;メモリの場合は「市場が利益の持続性を疑っている」を意味する。サイクルが続けばアップサイドは大きく;転換した瞬間にバリュエーションは自動的に膨張する。
今日の株価において、新規資金の合理的な優先順位はサブストレート > テストソケット > メモリ大手だ。 サブストレートの中では、**Daeduck Electronics(リーダーシッププレミアム)とSimmtech(ターンアラウンドバリュー)**が最もクリーンなセットアップだ。何を選ぶにせよ、マクロゲートが開いてからスケールインすること。優良企業を適正価格で買うことが、本当の仕事だ。
本記事はリサーチおよびコメンタリーであり、投資アドバイスではない。株価騰落率はPyKRXに基づき、2025年騰落率は2024年末終値から2025年末終値まで、2026年年初来は2025年末終値から5月15日終値まで。営業利益成長率、PER、営業利益率はFnGuide CompanyGuideコンセンサス(2026年5月15日照会)に基づき、実際の報告数値と異なる場合がある。コンセンサスは市場平均を反映したものであり、個別証券会社の推計とは異なる場合があり、修正されることもある。PEGレシオ(PER ÷ 成長率)は簡略化されたバリュエーション補助指標であり、単体での判断には不十分だ。メモリ大手のサイクルピーク懸念は筆者個人の見解であり、実際のサイクルは予想より長くも短くもなりうる。魅力度ランキングは「現在の株価における最良の選択」を反映したものであり、「最良の長期保有銘柄」ランキングとは異なる場合がある。Jeju Semiconductorは2026〜2027年のコンセンサスが存在しないため直接比較から除外しており、独自の分析が必要だ。グローバルマクロ変数(米金利、原油価格、為替、VIX)は独自に株価を動かしうる。分析は誤っている可能性がある。データ基準日:2026年5月15日終値、韓国標準時。
Disclaimer: For research and information purposes only. Not investment advice. Names cited are for analytical illustration; readers should perform their own due diligence and consult licensed advisors before any investment decision.