KOSPI急反発も外国人売り越し——韓国半導体株の選別局面

KOSPIが1.75%上昇も外国人は2.2兆ウォン売り越し。三星電子が52週高値圏、済州半導体が決算急騰。韓国半導体セクターの選別局面を解説。

上昇の裏に隠れた「外国人売り越し型リスクオン」

5月14日の韓国株式市場は、指数だけ見れば強かった。KOSPI(韓国総合株価指数、約800銘柄で構成するベンチマーク)は前日比1.75%高の7,981.41で引け、KOSDAQも1.20%高の1,191.09と堅調だった。しかし上昇の質は一段低い。外国人投資家はコスピ市場だけで約2.2兆ウォン(約2,400億円相当)の大幅売り越し、KOSDAQでも約0.17兆ウォン売り越した。市場を支えたのは個人投資家の買いだ。

「外国人売り越し型リスクオン」——強い指数と弱い外国人フローが同時進行するこの構造は、機関・外国人主導のトレンド相場とは質的に異なる。ウォン安(ドル円換算の参考として、ドル/ウォンは1,490ウォン台で推移)と北海原油ブレント105ドルという二重のマクロ逆風が、海外勢のリスク選好を抑制している可能性が高い。


今日の最注目イベント:三星電子が52週高値圏を突破

韓国株式市場で最も象徴的な動きは、三星電子(Samsung Electronics、005930.KS、韓国最大の半導体・スマートフォンメーカー)の上昇だ。同社は前日比4.23%高の296,000ウォンで引け、52週高値の98.8%まで接近した。外国人が約2,233億ウォン、機関が約746億ウォンの買い越し、プログラム売買でも約1.75兆ウォンの流入という、三方向の資金流入が確認された。

注目すべきは今日の外国人行動の「二面性」だ。三星電子には大きく買いを入れながら、SKハイニックス(SK Hynix、000660.KS、HBM=高帯域幅メモリの主要供給者)では約1.6兆ウォンもの大規模売り越しが出ている。メモリセクター全体への無差別な強気ではなく、銘柄を絞った選別が始まっていることを示唆する。

次の節目として市場参加者が注目しているのは、三星電子の300,000ウォン突破と定着だ。291,500ウォンを維持できるかどうかが当面のサポートライン確認の目安になる。


決算サプライズ:済州半導体が1日で28%急騰

今日最も際立ったモメンタム銘柄は済州半導体(Jeju Semiconductor、080220.KS)だ。2026年第1四半期の売上高は1,805億ウォン、営業利益は671億ウォンと市場予想を大きく上回り、株価は当日だけで28.35%上昇、売買代金は8,157億ウォンに達した。MCP(マルチチップパッケージ)とDRAM価格の上昇が業績に直結した形だ。

ただし当日の外国人は約134億ウォン売り越し、プログラム売買も約147億ウォン売り越し。急騰直後の需給が伴っていない点は注意が必要で、5〜10%程度の押し目での再評価が妥当な戦略として指摘されている。韓国のメモリサプライチェーンが価格回復の恩恵を中小サプライヤーにまで広げている点で、セクター健全性を確認できる決算だった。


大徳電子:設備投資公示後の株価モメンタムが継続

大徳電子(Daeduck Electronics、000990.KS、半導体パッケージ基板メーカー)は前日比1.19%高の144,600ウォンで引け、5日間では19.8%の上昇。相対強度(RS)は98.2と市場上位2%に位置し、新規設備投資公示後の突破トレンドが継続している。外国人・プログラム売買ともに小幅買い越しで、価格と需給が一致している数少ない銘柄の一つだ。

AIインフラ投資の拡大に伴うパッケージ基板の需要増加が背景にある。マイクロン(Micron Technology)の強い市場評価や米中首脳会談への期待がテーマの下支えになっているという指摘もある。


ゲームセクターの明暗:NCソフト↑、パールアビス↓

韓国ゲームセクターでは今日、明確な分化が生じた。NCソフト(NCsoft、036570.KS)は미래에셋証券のレポートで2026年第1四半期の予想超過を評価され、新作モメンタムを背景に「買いタイミング」と位置づけられた。一方、パールアビス(Pearl Abyss、263750.KS、『黒い砂漠』開発元)は前日比2.50%安、5日間でも3.62%下落した。空売り比率は15.3%と相対的に高い水準が続いており、新作タイトルのリリース・業績確認前まで実需買いが戻りにくい構図だ。

同一セクター内で実績確認銘柄に資金が移動するパターンは、セクター全体のボラティリティが落ち着いた後の典型的な選別局面に合致する。


キウム証券:株主還元とレバレッジ上昇が同時発生

キウム証券(Kiwoom Securities、039490.KS、韓国最大のオンライン証券会社)は今日、DARTに4件の開示が同時掲載された。他社株式の取得、自社株取得、株式消却、そして短期借入金の増加だ。自社株消却は株主還元として前向きに評価できる一方、借入金増加は財務構造の変化として精査が必要だ。証券セクションは本日2.31%高と反発したものの、開示の詳細条件が確認されるまで積極的な見方は留保が適切だろう。


今後の注目ポイント

明日以降、市場参加者が確認すべき主なチェックポイントを整理する。

価格アクション

  • 三星電子が300,000ウォンを突破・定着できるか。291,500ウォンを下回ると買いシグナルが後退する。
  • 大徳電子は144,600ウォン以上を維持し、出来高が継続するかどうか。140,000ウォン割れで勢いの減速を確認。
  • 済州半導体は急騰後の押し目で外国人売りが鈍化するかが再評価の条件になる。

需給

  • 三星電機(Samsung Electro-Mechanics、009150.KS、積層セラミックコンデンサ主要メーカー)は5日間で11.67%高と強いが、今日は外国人・プログラムが売り越し。高値圏での機関単独買いが続くかどうか。
  • NAVER(035420.KS、韓国最大のインターネットポータル)は今日5.71%急反発したが、外国人・機関はともに売り越し。価格と需給の乖離が解消されるかを見極める必要がある。

マクロ

  • ドル/ウォン1,490ウォン台とブレント105ドルが続く限り、外国人のリスク選好は抑制されやすく、リスクオンの質は低位に留まる公算が大きい。

まとめ:韓国半導体の選別は続く

5月14日の韓国市場は、AI半導体需要への期待とメモリ価格サイクルの回復期待が指数を押し上げた。しかし外国人の動向は「全面買い」ではなく、三星電子・大徳電子への集中と、SKハイニックス・NAVER・三星電機からの資金流出が同時進行している。済州半導体の決算急騰は中小サプライヤーにまで恩恵が広がっていることを裏付けたが、当日の需給がついていないことを示す格好の事例でもある。

KOSPIが8,000ポイントの節目を前にしている今、市場の質を測る最重要指標は「外国人が三星電子の300,000ウォン突破を確認買いで迎えるかどうか」だ。それが確認されれば、セクター全体の選別から次のフェーズへ移行するシグナルになり得る。


本記事は公開市場データおよびDARTの開示情報に基づく市場分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。

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