韓国株:半導体主導の二極化相場が鮮明に

2026年5月18日の韓国株市場は、KOSPI横ばいの裏で半導体大型株とその他銘柄の二極化が拡大。ストライキリスクを抱えるサムスン電子が急反発した背景と、新興スクリーナー候補を解説。

KOSPI小幅高の裏側:半導体が市場を下支え

2026年5月18日の韓国株式市場は、表面上は穏やかな取引日だった。KOSPI(韓国総合株価指数、約800銘柄で構成する韓国の主要株価指数)は+0.13%と小幅高で引けた一方、KOSDAQ(韓国のNASDAQ相当のテクノロジー・中小型株市場)は−2.18%と大幅下落した。

この対照的な動きが示すのは、「市場全体が上昇した一日」ではなく、「半導体大型株と一部主導銘柄だけが生き残った一日」という実態だ。

市場の内部構造を示す騰落指標は厳しい。50日移動平均線を上回る銘柄比率は33.7%、200日線では**46.3%**にとどまり、相場の広がりは乏しい。韓国市場のスクリーナーはレジームを「BULL」と判定しているものの、実質的な動きはリスクオフに近い様相だ。


サムスン電子:ストライキ懸念を乗り越えた急反発

今日のハイライトは、サムスン電子(005930.KS、韓国最大の半導体・スマートフォンメーカー)の急反発だ。終値は281,000ウォン(前日比+3.88%)。

背景にあるのは労組のストライキ問題だ。サムスン電子の労働組合が5月21日から最大18日間にわたるストライキを通告したという報道が繰り返し流れた。しかし韓国の裁判所は生産設備保護義務を明確化。市場はこのニュースを「生産ライン崩壊リスク」ではなく「過売られた株の反発機会」として解釈し、買いが優勢となった。

ただし、外国人投資家は本日だけで約1兆2,400億ウォンの大規模な純売りを記録しており、短期の反発が定着するかどうかは引き続き注視が必要だ。5日間の累積騰落率は−1.58%と、週足ベースでの回復にはまだ至っていない。


半導体バリューチェーンの強者:サムスン電機と大徳電子

大型半導体株の陰で、サプライチェーン中堅銘柄がより強い動きを見せている。

**サムスン電機(009150.KS、スマートフォン・AI向け積層セラミックコンデンサ〈MLCC〉および半導体パッケージ基板の大手メーカー)は、本日+2.08%の上昇、5日間累積では+14.56%**の急騰を記録した。終値は1,031,000ウォン。相対強度指数(RS)は98.4と上位2%に位置しており、上昇トレンドの継続が確認できる。外国人が売り越す中、機関投資家が買い支えている点は注目に値する。

さらに際立ったのが大徳電子(353200.KS、スマートフォン・AI サーバー向け高密度プリント基板〈PCB〉メーカー)だ。本日+3.39%、5日間では+11.61%上昇し、終値は140,400ウォン。外国人と機関投資家が同時に純買いに動いており、本日の韓国株式市場の中で最もクリーンな需給構造を示した銘柄と言える。RSは98.1。

AI向けサーバー需要の拡大を背景に、アマゾン・マイクロソフト・グーグルが2026年第2四半期に一般サーバーの購入比率を引き上げているとの情報も伝わっており、PCB・パッケージ基板セクターへの追い風が継続している。


LSケーブル、4兆ウォン電力インフラ契約

AI データセンター向け電力インフラ需要という観点では、**LS電線(LS Cable & System、韓国最大の電線・ケーブルメーカー)**が4兆ウォン規模の大型供給契約を締結したとの報道も注目された。AI設備投資が進む中、電力・配電設備セクターは半導体と並ぶ強い軸として機能している。

本日のスクリーナーも半導体・HBM・CPO(共同パッケージング光学)/フォトニクスおよび電力/エネルギーを強テーマとして捉えており、市場の主導テーマと合致している。


弱い銘柄:ゲーム・証券・機械セクターに圧力

強いセクターがある一方で、今日明確に弱かったのは機械・設備、輸送機器、建設、消費財・百貨店、そしてコスダック高ベータ銘柄群だ。

**パールアビス(263750.KS、韓国のゲーム開発会社、「黒い砂漠」シリーズで知られる)は本日−2.97%、5日累積では−14.23%**の急落が続いている。終値は45,800ウォン。5月21日に投資家向け説明会(IR)が予定されており、それまでは市場の信認が回復するかを見極める局面にある。外国人が小幅買い越す一方で株価は下落しており、需給と価格のシグナルが食い違っている状態だ。

**キウム証券(039490.KS、韓国最大のオンライン証券ブローカー)も5日間で−15.03%**の下落。外国人が買い越しているものの、トレンドは下向きのままだ。


スクリーナー新規候補:VC・半導体関連の急騰株

本日の市場スクリーナーでは、以下の銘柄が新規または強気候補として浮上した。

  • ミレアセット・ベンチャー投資(韓国のVC・プライベートエクイティ会社):RS 99.4、+22.8%の急騰、出来高約1,165万株。SpaceX関連のVC投資テーマが話題を集めているが、イベント性の追撃リスクには注意が必要だ。
  • アジュIB投資(中堅VC・PEファンド):RS 99.1、+18.9%、出来高約4,371万株。VCテーマの裾野拡大の候補だが、需給の継続性は未確認。
  • レーザーセル(半導体製造装置メーカー):RS 98.2、+23.4%。外国人・機関とも買い越しており、半導体装置セクター内の短期モメンタム候補。
  • 済州半導体(039490.KS、モバイル向けDRAMメモリの設計・販売会社):本日のスクリーナーで唯一の「ブレイクアウト候補」に選出。RS 97.3、+12.52%。機関が買い越す一方、外国人はまだ売り越しており、需給の方向感が揃うかを確認したい局面。

マクロ環境:高金利・高原油・円安ウォンが圧力継続

韓国株式市場全体のセンチメントを抑制しているのはマクロ環境だ。

  • ドル/ウォン:約1,498ウォン(ウォン安が輸入コストと外国人資金流入の逆風に)
  • ブレント原油:110ドル台(エネルギーコストの上昇がマージン圧迫懸念)
  • 米国10年国債利回り:4.59%(リスク資産への資金配分を抑制)

この環境下でKOSPIが小幅ながら上昇を維持できたのは、ひとえに半導体大型株の底堅さによるものだ。裏を返せば、半導体の方向感が崩れると市場全体への下押し圧力が一気に顕在化するリスクがある。


まとめ:「半導体の強さ」は本物か、継続するか

2026年5月18日の韓国市場が示したのは、AI関連需要という一つのテーマが市場を支配している現実だ。PCB(大徳電子)、MLCC・パッケージ基板(サムスン電機)、電力インフラ(LS電線)、そしてフラッグシップ半導体(サムスン電子)まで、AIバリューチェーン全体に買いが集まった。

一方で市場の騰落銘柄の広がりは依然として乏しく、半導体以外のセクターは軒並み弱含みだ。外国人投資家がサムスン電子を大量に売り越した点も看過できない。

翌日以降の注目ポイントは、①サムスン電子の281,000ウォン台維持と外国人売りの鈍化、②大徳電子の需給優位の継続、③パールアビスのIR(5月21日)後の市場評価、④済州半導体のブレイクアウト確認、の4点だ。

半導体主導の相場継続を確認できるか、それともブレッドスの狭さが示す通りピークに近づきつつあるかを見極める局面が続く。

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