ABF基板の不足率22%予測:韓国半導体材料株に再評価機運

モルガン・スタンレーが2030年の高性能ABF基板不足率予測を22%に引き上げ。KOSDAQは+4%超急伸し、韓国半導体材料・バイオ・エネルギー株に分散買いが入った。

今日の主役:ABF基板不足率見通しの大幅引き上げ

5月22日の韓国市場で最も重要な触媒となったのは、モルガン・スタンレーによるABF(アジレス・ビルドアップ・フィルム)高性能基板の需給見通し改定だ。同行は2030年の供給不足率予測を従来の15%から22%へ引き上げた。この修正は単なる上方修正ではなく、AI向けパッケージング基板市場における構造的な逼迫が想定より深刻になるという判断を示している。

市場の反応は素直だった。ABF基板・高密度インターコネクト基板を主力とする三星電機(Samsung Electro-Mechanics, 009150.KS)は一日で+11.30%と急伸し、直近5営業日の騰落率は+32.67%に達した。スクリーナー上の相対強度(RS)は98.9で、分析対象銘柄の中で最も強いモメンタムを示している。ABF/PCB基板の軸で三星電機と類似するポジショニングにある大徳電子(Daeduck Electronics, 008060.KS)も+3.35%の堅調な動き。5日リターンは+11.41%と拡大しており、機関投資家が127億ウォンの買い越しで参加した一方、外国人は74億ウォンの売り越しと方向が分かれている。

高性能ABF基板はAIアクセラレータ向けパッケージングの核心部材だ。HBM(広帯域メモリ)の積層やCXL接続モジュールへの搭載に不可欠な素材であり、需要の主体がNVIDIA・AMD・Intelおよびクラウド大手のカスタムASICに分散しているため、供給増強には長いリードタイムがかかる。今回の見通し引き上げは、韓国の基板メーカーが構造的な恩恵を受けるサプライヤーとして改めて注目される根拠を提供した。


KOSDAQが+4%超急伸:半導体一辺倒からの分散が始まる

KOSPI(韓国総合株価指数、約800銘柄で構成される主要指数)が+0.5%前後の小幅高にとどまる一方、KOSDAQ(成長株・中小型株中心の指数)は+4%台の急伸を記録した。前日の大型半導体株主導とは異なり、今日の上昇は複数セクターへの分散を伴っている。

市場のブレッドス指標も改善した。50日移動平均線を上回る銘柄の比率は36.0%、200日線を上回る比率は47.8%。スクリーナーの選定基準を通過した銘柄数は99銘柄に拡大しており、レジーム判定はBULLに転換している。強さが際立ったセクターは製薬・バイオ、電力・エネルギー、半導体製造装置・材料の一部だ。

ただし、市場全体が一斉にリスクオンに転換したわけではない。ウォン安(米ドル/ウォン1,516ウォン台)と、外国人投資家による三星電子の売り越し(後述)が上値を抑制し、指数全体よりも個別銘柄の選別的な強さが今日の本質だった。


三星電子:ミレアセット下半期再評価候補に指名、しかし需給逆風は継続

三星電子(Samsung Electronics, 005930.KS)は一日-2.34%と下落したが、5営業日リターンは+8.13%と価格回復軌道にある。

新たなカタリストとして、韓国大手証券会社のミレアセット証券が下半期トップピックに三星電子とSKハイニックス(SK Hynix, 000660.KS)を選定し、両社を「バリュエーション再評価候補」として位置付けた。韓国の主要証券会社が公に再評価の論拠を示したことは、中長期の機関投資家の買い手基盤拡大につながる可能性がある。

一方、当面の需給は慎重に見る必要がある。5月22日の外国人売り越し額は1,010億ウォン超、プログラム売越は9,982億ウォンに達した。5日間の価格回復後に外国人の売り圧力がすぐに再開されており、ファンダメンタルズの改善期待と短期需給の逆風が同居する局面だ。三星電子はKOSPI時価総額の約20%を占める銘柄であり、外国人・プログラム売越の鎮静化がKOSPI全体の方向性にも影響する。


スクリーナーが示す新興候補:製造装置と基板の軸

今日のスクリーナーで上位に浮上した銘柄を整理する。

주성엔지니어링(Jusung Engineering, 036930.KS) がスクリーナー候補の首位に登場した。半導体製造装置メーカーとして、1日で+20.95%と急騰。外国人が243億ウォン、機関が158億ウォンの同時買い(Co-Buy)を入れており、装置投資サイクルの前倒しを先取りする動きとみられる。ただし急騰直後であるため、翌日の214,000ウォンを基準とした値固めができるかが最初の判断ポイントになる。

심텍(Simtec, 222800.KS) は候補6位で+5.02%。外国人+86億ウォン、機関+58億ウォンの買いが入った。ABF/PCB基板の軸で大徳電子と類似するビジネスモデルを持ち、需給継続性を確認しながらウォッチリストに加える対象として浮上している。

테스(TES, 095610.KS) は候補10位で+7.41%。機関が302億ウォンの大口買いを入れた一方、外国人は212億ウォンの売り越しと方向が逆行している。機関主導型の値動きであるため、外国人フローが転換するまでは補助的な観察対象にとどまる。

SK(SKホールディングス, 034730.KS) は一日+11.46%と急騰し、外国人は491億ウォンの買い越し。SK グループの持株会社としてコングロマリット再評価の文脈で浮上しているが、半導体・AIテーマとの直接連動性は相対的に低い。


翌日の注目ポイント:三点確認

明日5月23日に市場参加者が確認すべき焦点は三つある。

① 三星電機の1,219,000ウォン防衛と1,340,000ウォン上抜け継続性:今日の急騰を支えるブレイクアウト基準価格の維持が、短期モメンタムの継続を測るバロメーターになる。

② 三星電子の外国人・プログラム売越の再拡大有無:今日の売り圧力が一過性かどうかを確認する。5日間の価格回復が外国人の買い姿勢の転換を伴うまで、積極的なエントリーを控える機関投資家の動きが続くとみられる。

③ KOSDAQブレッドス拡散の質:今日の強さがバイオセクターの単発上昇か、それとも製造装置・成長株全般への分散を伴うものかを確認する。翌日の出来高と参加銘柄数がその答えを示す。


まとめ

5月22日の韓国株市場は、モルガン・スタンレーによるABF基板不足率見通しの引き上げという具体的な触媒を起点に、半導体材料・基板株を中心とした選別的な買いが入った日だった。KOSDAQは+4%超の急伸でブレッドスが改善し、市場の重心は大型半導体株主導からバイオ・製造装置・成長中小型株への分散へシフトしている。

三星電子については、主要証券会社による下半期再評価論拠が出たにもかかわらず外国人売り越しが1兆ウォン超を記録しており、価格回復と需給改善のラグが続く局面だ。スクリーナー上では주성엔지니어링(Jusung Engineering)の急騰が目を引くが、急騰直後の基準価格防衛確認が優先事項になる。

韓国株式市場(KOSPI・KOSDAQ)への投資機会を探る国際投資家にとって、今週のキーワードはABF基板サプライチェーンの構造的逼迫KOSDAQブレッドス拡散の持続性の二点に絞られる。

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