韓国半導体株に明暗—装置株高騰、大型株は外国人売り

2026年7月1日のKOSPI市場では外国人売りが大型メモリ株を直撃しサムスン電子が▲5.8%急落。半導体装置・素材株は逆行高。セクター内の分岐を分析。

7月1日のKOSPI:「ニュートラル」の皮を被ったリスクオフ

2026年7月1日のソウル株式市場(KOSPI、韓国総合株価指数)は、市場スクリーナー上は「ニュートラル」判定で引けたものの、内実はリスクオフ色が濃かった。50日移動平均線を上回る銘柄比率は14.7%、200日移動平均線超えは24.5%にとどまり、市場の「幅(ブレッド)」は依然として薄い。フォロースルーデー(FTD)カウントが15日目に入る一方、相場レジームはBEAR 45/100と評価されており、上昇の地盤が固まったとは言い難い。

その中で際立ったのがセクター内部の明暗だ。半導体製造装置・素材(ソブジャン)HBM(高帯域幅メモリ)関連CPO(共同パッケージング光学)電力・エネルギーインフラの4テーマに選別的な資金流入が見られた一方、大型メモリ株には外国人・機関・プログラム売買の三方向から売りが集中した。


サムスン電子(005930.KS):HBM4E朗報も売り圧力は止まらず

韓国最大の半導体メーカー、サムスン電子(005930.KS)の7月1日終値は314,500ウォン。1営業日で▲5.8%、直近5営業日では▲7.6%の急落となった。

需給の内訳を見ると、外国人が1兆841億ウォンの売り越し、機関が5,853億ウォンの売り越し、プログラム売買だけで1兆4,198億ウォンの売り越しと、三方向から圧力が集中した。

一方でファンダメンタルズ面には前向きな材料もあった。報道によればサムスンのHBM4Eチップの製造歩留まりが70%を超えたとされており、SK ハイニックスとの技術格差縮小を示唆する。しかし市場の反応はクールだ。「好材料、悪い株価」という典型的なパターンが出た一日だった。

外国人・機関が同時に売っているフェーズでは、個別の製品ニュースの好影響が薄れやすい。今後の焦点は、314,500ウォン水準での底値固めと外国人の売り越しが鈍化するかどうかだ。


SKハイニックス(000660.KS):高値圏での利益確定が加速

韓国2位の半導体メーカー、SKハイニックス(000660.KS)の終値は2,560,000ウォン(▲3.4%)。5日騰落率は▲0.8%と、サムスン電子に比べれば相対的に底堅かった。

ただし需給は重い。外国人184億ウォンの売り越しに加え、機関は7,816億ウォンと大幅な売り越し、プログラム売買も4,557億ウォンの売り越しを記録した。

注目すべき点は、SKハイニックスがHBM3EおよびHBM4の主要サプライヤーとして強固なポジションを維持している一方で、株価が高値圏に達していることで機関の利益確定売りが加速しているという点だ。HBM市場におけるシェア優位という中長期テーマは変わっていないが、短期的には2,500,000ウォン台の支持水準の維持が試される局面にある。明日の外国人・機関動向が分岐点になる。


今日の主役:サムスン電機(009150.KS)の突出したパフォーマンス

大型メモリ株が売られる中、最も際立ったのがサムスン電機(Samsung Electro-Mechanics、009150.KS)だ。MLCCや半導体パッケージング基板を主力とする同社は、AI向けサーバー需要の恩恵を直接受けやすい事業構造を持つ。

この日の動きは:

  • 終日騰落:+1.0%
  • 直近5営業日:+12.3%
  • 外国人:+1,141.9億ウォンの買い越し
  • 機関:+429.6億ウォンの買い越し
  • KRX運用スクリーナーの相対強度(RS)スコア:99.7(最上位水準)

外国人と機関が同時に買い越し、かつ株価が同方向に動くという「需給と価格の同行」が鮮明に出た。RSスコア99.7は、数週間のユニバース内で最上位の強さを示す数値だ。

CPO(共同パッケージング光学)や高密度パッケージング基板への需要拡大を背景に、機関マネーの関心が高まっている。AI半導体サプライチェーンの川上ではなく「川中・川下」に位置するサムスン電機がこれほど強い動きをしていることは、AIインフラ投資の裾野が広がっていることを示唆する。


装置・素材セクター:スクリーナーが示す次の候補群

韓国KRX市場の需給スクリーナーが今週注目する半導体装置・素材銘柄にも、選別的な資金流入の動きが見られる。

주성엔지니어링(Jusung Engineering、036930.KQ):半導体ALD(原子層堆積)装置メーカー。ミレアセット証券が株価急騰後の投資ポイントの再検討を言及しており、短期的には調整待ちの局面。急追よりも押し目確認が戦術的には有効と市場は見ている。

피에스케이(PSK、319660.KQ):ドライストリップ装置メーカー。デバイス微細化が進む中で需要増が続く。

심텍(Simtech、222800.KQ):半導体パッケージ基板メーカー。高密度パッケージング需要の恩恵を受けやすい構造を持つ。

원익IPS(Wonik IPS、240810.KQ):CVD・ALD装置メーカー。HBM製造工程向けの設備更新需要が背景にある。

これらの装置・素材株は、大型株が調整局面に入った際に外国人・機関が乗り換える先として注目されることが多い。ただし現在のKOSPI全体のブレッドの薄さを考えると、買い余力のある選別的な投資家に限られた展開が続く見通しだ。


グローバル文脈:米国SOX強さとの連動

米国市場ではマイクロン・テクノロジー(MU)、AMD(AMD)、マーベル・テクノロジー(MRVL)といったAI半導体銘柄が引き続き強く、フィラデルフィア半導体指数(SOX)も堅調だ。

ハイパースケーラー(AWS、Azure、Google Cloud)の設備投資計画も上振れを続けており、AIインフラ投資というマクロテーマ自体は変わっていない。このグローバルな追い風を韓国のどの銘柄が取り込めるかという点では、HBMのSKハイニックス、CPO・パッケージング基板のサムスン電機、そして装置分野のJusung・PSK・Wonik IPSが、それぞれ異なる切り口で注目される。


明日のチェックポイント

1. SKハイニックス(000660.KS)の2,500,000ウォン支持水準
機関・外国人の売り越しが鈍化するかどうかが、短期方向性の分かれ目になる。

2. サムスン電子(005930.KS)の外国人・プログラム売買動向
314,500ウォン水準で底値を固めるか、さらに下値を試すかを確認する。HBM4E歩留まり改善という好材料が需給の改善につながるかどうかが焦点だ。

3. サムスン電機(009150.KS)の資金流入継続
2,205,000ウォン近辺での外国人・機関の継続的な買いが確認できれば、装置・素材セクターへのローテーションが本格化した可能性が高い。

4. 装置株の月初フロー
月次ファンドの入れ替えが起きやすい月初1営業日は、セクターローテーションの兆候が見えやすい。Jusung Engineering・Simtech・Wonik IPSへの需給を注視したい。


まとめ:テーマは変わらず、表現手段が変わりつつある

7月1日のKOSPIは「レジームはニュートラル、実態はリスクオフ」という状況だった。サムスン電子・SKハイニックスという大型メモリ株は外国人・機関の売り圧力を受けた一方、サムスン電機はRS99.7・外国人1,141億ウォン買いという際立ったパフォーマンスを記録した。

AIインフラというテーマは変わっていない。ただし、そのテーマを韓国株でどのように表現するかという問いに対して、市場は「大型メモリ株の一択」ではなく「装置・素材・パッケージング基板の選別」という方向で答えを出しつつある。月初のフローと外国人動向を注視したい。

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