📚 パミセルシリーズ — 第3回 第1回:パミセル — 4月の外国人・機関投資家買いとDoosan Electro BG AI CCL材料の再評価 第2回:パミセル第2回 — AI CCL材料への転換と12〜24ヶ月の産業サイクル
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第1・第2回では、パミセルが生化学品企業からAIメモリCCL(銅張積層板)上流材料サプライヤーへと再分類されるプロセスを追った。KRXは5月4日付で業種コードを「基礎医薬品製造」から「電子部品製造」へと正式変更した。CitiとGoldman Sachsは、CCL供給不足を2026〜2027年の「ニューノーマル」と位置付け直した。そして5月12日、1Q26決算が発表された——売上高367億ウォン(コンセンサス331億ウォン)、営業利益131億ウォン(コンセンサス106億ウォン)、営業利益率35.7%。第1・第2回のテーゼに対する、最初の数値的裏付けとなる。
まとめ
- 1Q営業利益131億ウォンはコンセンサス(106億ウォン)を+23.6%上回った。 売上高367億ウォンもコンセンサス331億ウォンを+10.9%上回り、営業利益率は35.7%。売上高は前四半期比+43.4%(256億ウォン→367億ウォン)と急増した。
- 売上高レンジがブレイクアウト。 1Q25〜4Q25の4四半期連続で215〜270億ウォン帯に収まっていた売上高が、1Q26は367億ウォンへ——レンジ上限を約100億ウォン突き破った。
- 営業利益率が30〜32%から35.7%へ切り上がった。 純粋な数量増だけであれば利益率は横ばいのはず。売上高と利益率が同時に上昇したことは、より付加価値の高い製品(低誘電材料)へのミックスシフトを示唆する。
- 2026年通期営業利益600億ウォン超のシナリオには、2Q〜4Qの四半期営業利益が平均150億ウォン以上必要。 1Qの131億ウォンは「必要条件」のクリアであり、「十分条件」ではない。
- TTM PERは23〜30倍の範囲。 韓国市場の基準で「極端に割安」でも「極端に割高」でもない。バリュエーションの妥当性は、2026〜2027年の業績見通しが維持されるかどうかにかかっている。
1. 1Q26決算 — 予想との乖離
1.1 コンセンサス比
| 項目 | 実績 | コンセンサス | 乖離 | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | ₩36.7bn | ₩33.1bn | +10.9% | 上振れ |
| 営業利益 | ₩13.1bn | ₩10.6bn | +23.6% | 大幅上振れ |
| 純利益 | ₩11.7bn | ₩11.7bn | +0.1% | 概ね一致 |
| 営業利益率 | 35.7% | 32.0% | +3.7pp | 核心的ポジティブ |
| 純利益率 | 31.9% | 35.3% | -3.4pp | やや予想下回る |
検算:
売上高乖離 = 36.7 / 33.1 - 1 = +10.9% ✓
営業利益乖離 = 13.1 / 10.6 - 1 = +23.6% ✓
営業利益率 = 13.1 / 36.7 = 35.7% ✓
純利益率 = 11.7 / 36.7 = 31.9% ✓
予想営業利益率 = 10.6 / 33.1 = 32.0% ✓
1.2 四半期推移 — レンジ上限のブレイク
| 期間 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 営業利益率 | 純利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1Q25 | ₩21.5bn | ₩3.1bn | ₩4.2bn | 14.4% | 19.5% |
| 2Q25 | ₩27.0bn | ₩8.4bn | ₩8.5bn | 31.1% | 31.5% |
| 3Q25 | ₩26.8bn | ₩8.2bn | ₩7.4bn | 30.6% | 27.6% |
| 4Q25 | ₩25.6bn | ₩8.1bn | ₩8.8bn | 31.6% | 34.4% |
| 1Q26 | ₩36.7bn | ₩13.1bn | ₩11.7bn | 35.7% | 31.9% |
前年同期比 / 前四半期比:
売上高 前年比 = 36.7 / 21.5 - 1 = +70.7%
営業利益 前年比 = 13.1 / 3.1 - 1 = +322.6%
純利益 前年比 = 11.7 / 4.2 - 1 = +178.6%
売上高 前四半期比 = 36.7 / 25.6 - 1 = +43.4%
営業利益 前四半期比 = 13.1 / 8.1 - 1 = +61.7%
純利益 前四半期比 = 11.7 / 8.8 - 1 = +33.0%
「小幅な上振れ」では到底ない。売上高は250〜270億ウォン帯から367億ウォンへと明確なレンジブレイクを果たした。 さらに営業利益率は〜30〜32%から35.7%へ切り上がり、売上高と利益率が同時に上昇——数量増だけでは生まれないパターンだ。
2. 第1・第2回のテーゼはどこまで検証されたか
2.1 第1回 — Doosan Electro BG AIサイクルへの連動
第1回では、パミセルを生化学品企業ではなくAIメモリCCL(銅張積層板)上流材料サプライヤーとして捉え直した。構造はシンプルだ——Doosan Electro BGがAIメモリ・サーバー向け高付加価値CCL売上を拡大する→上流の低誘電材料サプライヤー(パミセル)がその恩恵を取り込む。
1Q26決算がこの読み方と整合する点:
- 売上高が〜256億ウォン(4Q25)から367億ウォンへ(前四半期比+43%)——純粋な価格効果では説明しきれない規模であり、数量増を示唆
- 営業利益率35.7%——高付加価値製品へのミックスシフトを示すシグナル
- 第2回では、Doosan Electro BGの1Q26営業利益率(30.1%)がパミセルの2025年平均営業利益率(30.1%)と一致したことを指摘した。今四半期、パミセルはその連動を一段上(35.7%)へと引き上げた
2.2 第2回 — 「ニューノーマル」産業サイクルの枠組み
第2回では5月初旬時点の5つのデータポイントを整理した:
- 5月4日のKRX業種コード変更(基礎医薬品→電子部品)
- Citi / Goldman Sachsによる「CCL供給不足は2026〜2027年のニューノーマル」という見解
- DS投資証券・メリッツ証券の1Q26予想収斂(売上高362億ウォン、営業利益121億ウォン、営業利益率33%)
- 上流鉱物→モノマー→ポリマー→CCL応用への4層バリューチェーン拡張
- Doosan Electro BGとパミセルの営業利益率連動
今回の実績(売上高367億ウォン、営業利益131億ウォン、営業利益率35.7%)は、DS投資証券・メリッツ証券の予想(売上高362億ウォン、営業利益121億ウォン、営業利益率33%)に対し、売上高+1%、営業利益+8%、営業利益率+2.7ppの上振れだった。「ニューノーマル」テーゼに、1四半期分の数値的裏付けが加わった。
3. 通期営業利益600億ウォン超の正当化に必要なこと
3.1 単純年換算
年換算売上高 = 36.7 × 4 = ₩146.8bn
年換算営業利益 = 13.1 × 4 = ₩52.4bn
年換算純利益 = 11.7 × 4 = ₩46.8bn
時価総額1兆1025億ウォンに対して:
年換算PER = 1,102.5 / 46.8 = 23.6×
年換算EV/営業利益(概算) = 1,102.5 / 52.4 = 21.0×
韓国市場の基準では極端な水準ではない。ただし、市場で語られている2026年通期営業利益560〜630億ウォンのシナリオは、1Q131億ウォン×4では届かない。
3.2 残り3四半期の必要水準
| 2026年通期OP目標 | 1Q実績 | 残り必要OP | 2Q〜4Q平均必要OP |
|---|---|---|---|
| ₩56.2bn | ₩13.1bn | ₩43.1bn | ₩14.4bn |
| ₩57.7bn | ₩13.1bn | ₩44.6bn | ₩14.9bn |
| ₩60.5bn | ₩13.1bn | ₩47.4bn | ₩15.8bn |
| ₩63.3bn | ₩13.1bn | ₩50.2bn | ₩16.7bn |
検算:
600億ウォン目標 - 1Q 131億ウォン = 469億ウォン / 3 = 156億ウォン
605億ウォン目標 - 1Q 131億ウォン = 474億ウォン / 3 = 158億ウォン ✓
つまり、2026年通期営業利益600億ウォン超を自然に正当化するには、2Q以降の四半期営業利益が〜150〜160億ウォンへ一段切り上がる必要がある。 1Qの131億ウォンはスタートラインであり、終着点ではない。
4. TTM(直近12ヶ月)— 2通りの算出
4.1 なぜ2つのパスが存在するか
四半期有価証券報告書には四半期P&Lが含まれる。しかし、企業IRが開示するFY25通期数値は、4四半期の単純合計と必ずしも一致しない。ユーザーから共有された四半期データによる合計:
FY25四半期合計:
売上高 = 21.5 + 27.0 + 26.8 + 25.6 = ₩100.9bn
営業利益 = 3.1 + 8.4 + 8.2 + 8.1 = ₩27.8bn
純利益 = 4.2 + 8.5 + 7.4 + 8.8 = ₩28.9bn
第1・第2回の分析では企業IRのFY25通期数値(売上高1140億ウォン、営業利益343億ウォン、純利益403億ウォン)を用いた。乖離は売上高130億ウォン、営業利益65億ウォン、純利益114億ウォン。 原因としては(a)単体vs.連結、(b)継続vs.非継続事業、(c)累計vs.四半期換算の差異、(d)営業vs.非営業項目の組替え、などが考えられる。確定的な照合には実際の四半期報告書の損益計算書精読が必要だ。
4.2 両ベースでのTTM
(A) 四半期合計ベース(保守的)
TTM売上高 = 27.0 + 26.8 + 25.6 + 36.7 = ₩109.1bn
TTM営業利益 = 8.4 + 8.2 + 8.1 + 13.1 = ₩37.8bn
TTM純利益 = 8.5 + 7.4 + 8.8 + 11.7 = ₩36.4bn
TTM PER = 1,102.5 / 36.4 = 30.3×
TTM 時価総額/営業利益 = 1,102.5 / 37.8 = 29.2×
(B) IR通期調整ベース
TTM売上高 = 114.0 - 21.5 + 36.7 = ₩129.2bn
TTM営業利益 = 34.3 - 3.1 + 13.1 = ₩44.3bn
TTM純利益 = 40.3 - 4.2 + 11.7 = ₩47.8bn
TTM PER = 1,102.5 / 47.8 = 23.1×
TTM 時価総額/営業利益 = 1,102.5 / 44.3 = 24.9×
どちらの算出でも結論は同じ:TTM PER 23〜30倍——韓国市場の基準で「極端に割安」でも「極端に割高」でもない。バリュエーションの妥当性は2026〜2027年の業績見通しが維持されるか否かにかかっており、1四半期では決着しない。
5. 検証済みの項目と残る論点
5.1 1Q26で検証された項目
| 項目 | 第1・第2回の見立て | 1Q26実績 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 1Q売上高 | ₩35.0〜36.2bn | ₩36.7bn | レンジ上限超え |
| 1Q営業利益 | ₩11.5〜12.3bn | ₩13.1bn | レンジ上限超え |
| 1Q営業利益率 | 〜33% | 35.7% | 一段上 |
| レンジブレイク | 4Q25の256億ウォンからの跳躍 | ₩36.7bn | 確認 |
5.2 まだ開かれた論点
| 項目 | 第1・第2回の見立て | 確認時期 | 未達の場合 |
|---|---|---|---|
| 2Q〜4Q売上高400億ウォン以上 | 2026年通期売上高1600億ウォン以上 | 2Q報告(7月下旬〜8月上旬) | 1Q一時的事象との懸念が浮上 |
| 2Q〜4Q営業利益150億ウォン以上 | 2026年通期営業利益600億ウォン以上 | 2Q報告 | マルチプル再評価が困難に |
| Doosan Electro BG高付加価値CCL売上の視界 | ニューノーマルサイクルの検証 | Doosan四半期IR | 単一顧客集中リスクが顕在化 |
| 低誘電材料の売上ミックス開示 | ミックスシフトの定量化 | 四半期報告書 / IR Q&A | 営業利益率35.7%の帰属が不明確なまま |
| PTFE競合の認定・デュアルソーシング(弱気シグナル) | サプライポジションの維持 | 業界ニュース | 第1・第2回テーゼの毀損 |
6. 今後の確認カレンダー
| 時期 | イベント | 重要な理由 |
|---|---|---|
| 2Q中 | Doosan Electro BG 2Q26ガイダンス | パミセルの一次エンドデマンドの指標 |
| 6〜7月 | セルサイドの業績予想修正 | 2026年通期営業利益600億ウォンシナリオがコンセンサスに織り込まれるか |
| 7月下旬〜8月上旬 | パミセル2Q26決算 | 2Q〜4Q 400億ウォン以上 / 150億ウォン以上のパスを確認または否定 |
| 下期 | 業種コード変更後のフロー効果 | 「基礎医薬品→電子部品」への変更がインデックス・テーマフローをどう変えるか |
| 随時 | PTFE競合の認定ニュース | 具現化すれば第1・第2回テーゼに打撃 |
7. 結論
パミセルの1Q26決算は、第1・第2回のテーゼ——パミセルが生化学品銘柄からAIメモリCCL上流材料サプライヤーへと再分類される——の最初の数値的裏付けとなった。売上高367億ウォンは215〜270億ウォンのレンジをブレイクし、営業利益率は〜30〜32%から35.7%へ切り上がり、営業利益131億ウォンはコンセンサス106億ウォンを+23.6%上回った。
ただし、1四半期で通期を語ることはできない。600億ウォン超の営業利益シナリオを自然に正当化するには、2Q〜4Qの四半期営業利益が〜150〜160億ウォンへ一段切り上がる必要がある。その答えは7月下旬〜8月上旬の2Q決算で明らかになる。
第1回はAI CCL上流材料への再分類仮説を提示した。第2回は5つのデータポイントを通じてサイクルの12〜24ヶ月継続性を検証した。第3回は、そのテーゼへの最初の数値的クリアを記録する。検証はまだ途中であり、「単四半期のスパイク」か「持続的なサイクル」かを分けるのは次の四半期決算だ。
FAQ
Q:営業利益131億ウォンは強い数字か? A:コンセンサス(106億ウォン)を+23.6%上回り、営業利益率を前四半期の31.6%から35.7%へ引き上げた。売上高も前四半期比+43%(256億ウォン→367億ウォン)と急伸している。単一四半期という留保付きながら、強い上振れと評価できる。
Q:営業利益が大幅上振れしたのに、純利益がほぼコンセンサス通りだったのはなぜか? A:営業外費用または税金が予想より膨らんだ可能性が高い。確定的な帰属分析には四半期報告書の損益計算書が必要だ。いずれにせよ、営業利益率35.7%自体は営業ファンダメンタルズの改善を示している。
Q:売上高367億ウォンへの急増の要因は? A:第1・第2回の作業仮説は、Doosan Electro BGのAIメモリ向け高付加価値CCL売上拡大が上流の低誘電材料需要に波及したというものだ。同社は顧客別売上高を開示していないため直接検証はできない。第2回で指摘したDoosan Electro BGの1Q26営業利益率(30.1%)がパミセルの2025年平均営業利益率(30.1%)と一致したことが、間接的な連動シグナルを提供している。
Q:TTM PER 23〜30倍は割高か割安か? A:韓国市場の基準ではどちらの極端でもない。バリュエーションの妥当性は、2026年通期営業利益が600億ウォン帯に達するかどうかにかかっている——達した場合、2026年予想PERは17〜20倍に低下する。
Q:第1・第2回のテーゼを否定するシナリオは? A:主に3つのブレイクが考えられる。(1)2Q〜4Q売上高が250〜300億ウォン帯に回帰する(一時的事象との解釈が確定)、(2)PTFE競合の正式認定によりデュアルソーシング化が進む(サプライポジションの毀損)、(3)Doosan Electro BG AI CCLガイダンスの弱体化(需要パルスの毀損)。いずれか一つが具現化すれば、第1・第2回のテーゼは大きく傷つく。
Q:KRX業種コード変更は何をもたらすか? A:5月4日付で「基礎医薬品製造」から「電子部品製造」へ変更された。インデックス・テーマ分類やフローのパターンが変化し得る。コード変更自体がファンダメンタルズを変えるわけではない。
Q:開示なしにパミセルの顧客別売上高をどう追跡するか? A:間接ルートが3つある。(1)Doosan Electro BGの四半期IRにおけるCCL売上・ミックスのコメント、(2)パミセルの四半期報告書本文中の低誘電材料ミックスへの言及、(3)メモリ・サーバー向けCCL需給逼迫に関する業界ニュースフロー。
本稿は調査・情報提供を目的としたものであり、投資助言を構成しない。1Q26数値はユーザー共有のDART速報(2026年5月12日10:27 KST)に基づくものであり、四半期報告書本文の直接検証は行っていない。コンセンサス数値(売上高331億ウォン / 営業利益106億ウォン / 純利益117億ウォン)はユーザー提供。第1・第2回で参照したFY25通期数値(売上高1140億ウォン / 営業利益343億ウォン)は四半期合計ベース(1009億ウォン / 278億ウォン)と乖離があり、両ベースの計算は第4節に示した。Doosan Electro BGの売上高、低誘電材料のミックス比率、PTFE競合の認定状況は公開情報からは正確に検証できない。分析は誤りうる。データカット:2026年5月12日 KST。
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