Pearl Abyss 1Q26 決算総括 — 営業利益₩212.1bn(コンセンサス比+48%)、OPM 64.6%。初の業績ガイダンス、通期営業利益₩487.6〜572.6bn

Pearl Abyssが1Q26決算と同時に、初の定量的通期ガイダンスを発表。売上高₩328.5bn、営業利益₩212.1bn、OPM 64.6%。営業利益はコンセンサス₩143.5bnを+48%上回った。さらに重要なのは、同社が初めて正式ガイダンスを提示したこと:通期営業利益₩487.6〜572.6bn、OPM 55〜59%。2QのCrimson Desert売上高ガイダンスは₩224.2〜276.5bn——1Qの₩266.5bnに対して-16%〜+4%の範囲であり、2Qを「崖」ではなく「踊り場」と位置づけている。本稿では開示数値を精緻に分解し、事前予想と実績を比較検証した上で、OPM 64.6%のコスト構造、ガイダンスの意味合い、今後の株価トリガーを整理する。

📚 Pearl Abyss シリーズ — 1Q26 総括版 過去記事:決算プレビュー(4/21)— 売上高₩395.0bn / 営業利益₩205.0bn 中央値推計 過去記事:決算直前セットアップ(5/11)— コンセンサス₩143.5bnだが実績₩250bn超の公算

🔗 関連Pearl Abyss Hub — 263750 株価 / 目標株価 / Crimson Desert 分析 · CCP / EVE 売却 · 新韓証券 目標株価乖離分析

Pearl Abyssは1Q26決算と合わせ、韓国ゲームスタジオとして初の定量的通期ガイダンスを開示した。ヘッドライン:営業利益₩212.1bnはコンセンサスを+48%上回り、通期営業利益ガイダンスは₩487.6〜572.6bn。2QのCrimson Desert売上高ガイダンス₩224.2〜276.5bn(1Q比-16%〜+4%)は、市場が懸念する「1Q好調→2Q崖」シナリオへの直接的な反論だ。ガイダンス達成を確認するための数字はまだこれから積み上がる。


TL;DR

  • 1Q26実績。 売上高₩328.5bn、営業利益₩212.1bn、純利益₩158.0bn。OPM 64.6%。営業利益はコンセンサス(₩143.5bn)比**+48%**超過。
  • 通期ガイダンス(会社発表)。 営業収益₩879.0〜975.4bn、営業利益**₩487.6〜572.6bn**、OPM 55.5〜58.7%。開示前の市場の暗黙的な期待値(〜₩410bn)を大幅に上回る。
  • 2Qガイダンス。 Crimson Desert売上高₩224.2〜276.5bn——1Qの₩266.5bn比**-16%〜+4%**。崖ではなく踊り場。
  • サプライズの本質。 売上高の上振れが主因ではなく、コスト構造の軽さが核心。研究開発費は先行四半期に計上済み、マーケティングは効率的で、収益認識方式(純額・ブレンド)によりプラットフォーム手数料が売上高から差し引かれ、費用として計上されない構造。
  • 事前予想との比較。 プレビューの売上高₩395.0bnは17%高め、営業利益₩205.0bnは3%低め。収益認識の前提が誤っていたが、営業利益の方向性は正確だった。
  • 次のチェックポイント。 5/21〜22の機関投資家向けNDR、600万本突破発表のタイミング、2Qがガイダンスレンジ内に着地するか、DLC・プラットフォーム展開スケジュール。

1. 本日開示の数値——正確な数字

1.1 1Q26 暫定決算

項目金額
売上高(営業収益)₩328.499bn
営業利益₩212.096bn
継続事業純利益₩170.0bn
最終純利益(非継続事業損失含む)₩157.969bn
営業利益率64.6%
純利益率48.1%
営業費用(推計)₩116.4bn

検算:OPM = 212.096 / 328.499 = 64.6% ✓

純利益が2つある理由:Pearl AbyssはCCP Games(EVE Online開発元)の売却を5月6日に完了した。CCP関連の損失(₩-12.0bn)は「非継続事業」として組み替えられた。残存事業の収益力を見るには継続事業純利益₩170.0bnを、株主帰属ベースでは₩158.0bnを使う。

1.2 ゲーム別売上高

ゲーム1Q売上高構成比
Crimson Desert₩266.5bn81%
Black Desert₩61.6bn19%
合計₩328.1bn100%

Crimson Desertだけで全体の81%——わずか12日間の販売(3月20〜31日)での数字だ。

1.3 地域別・プラットフォーム別売上比率

地域構成比
米州・欧州81%
アジア13%
韓国6%
プラットフォーム構成比
PC59%
コンソール38%
モバイル3%

地理的分布が示す通り、Crimson Desertは西洋向けPC・コンソールのグローバルヒット作だ。米州・欧州81%は韓国ゲームスタジオとしては異例——通常、韓国タイトルはアジア比率が圧倒的に高い。

1.4 コンセンサスとの比較

項目コンセンサス実績差異
売上高₩311.9bn₩328.5bn+5.3%
営業利益₩143.5bn₩212.1bn+47.8%
純利益₩110.4bn₩158.0bn+43.1%

**売上高の小幅上振れ(+5%)に対し、営業利益の大幅超過(+48%)。**この非対称性がポイントだ。

1.5 過去比較

比較対象売上高営業利益
前年同期(1Q25)+293%損失₩-5.2bn → 利益₩212.1bn
前四半期(4Q25)+244%赤字 → 黒字

1タイトルが1四半期で会社全体を別次元に押し上げた。


2. 事前予想の検証——何が正しく、何が外れたか

2.1 決算プレビュー(4月21日)との比較

項目プレビュー実績差異
売上高₩395.0bn₩328.5bn-16.8%
営業利益₩205.0bn₩212.1bn+3.5%
OPM51.9%64.6%+12.7pp

売上高は17%の過大予想、営業利益は3%の過小予想、OPMは13pp下振れ。

この矛盾の源泉:収益認識方式

2.2 収益認識——プレビューの核心的前提が外れた

ゲームの収益認識には2つの方式がある。会社開示によれば:

  • コンソール(PlayStation / Xbox):プラットフォーム手数料を先に控除し、残額を売上高として計上
  • PC(Steam等):ユーザー支払額から消費税控除後の純額で計上
  • パッケージ販売:契約条件により、実際の販売単価より低い金額が計上される

プレビューは総額認識(プラットフォーム手数料を売上高に含め、後から費用計上)を多めに織り込んでいた。コンソールは実際には純額認識(手数料を先に控除)に近く、結果として売上高ラインは低めだが費用も減少、報告上のマージンが上昇した。

2.3 1本当たり認識売上高——修正推計

Crimson Desertの1Q売上高₩266.5bnを公式発表の約400万本で逆算:

1本当たり認識売上高 = ₩266.5bn ÷ 400万本 = 約₩66,625/本

検算:66,625 × 400万本 ≈ ₩266.5bn ✓

プレビューの総額認識前提₩80,000/本より低く、決算直前セットアップ記事の試算₩58,000/本(EVE含む過去の売上高が混入し乖離が発生)より高い。

修正後結論:1本当たり認識売上高は約₩66,625。純粋な総額でも純粋な純額でもなく、ブレンド構造。

2.4 決算直前セットアップの読みは当たったか

同記事の主張:「コンセンサスは₩143.5bnだが実績は₩250bn超の可能性がある」。実績は₩212.1bn——コンセンサスを大幅上回ったが、楽観的なブローカー推計(新韓証券₩254.7bn、メリッツ証券₩275.2bn)は下回った。

「その週で最もサプライズ確率が高い」という方向感は正しく、上振れ幅は上位ブローカー推計より小さかった。


3. 営業利益サプライズの構造——コストライン別分析

3.1 営業費用内訳

会社の1Q26 IRレターより:

項目金額対売上高比前四半期比
人件費₩38.4bn11.7%+29%
プラットフォーム手数料・決済費₩42.5bn12.9%+193%
マーケティング費₩23.4bn7.1%+152%
減価償却費₩2.4bn0.7%-4%
その他₩9.7bn3.0%-14%
合計₩116.4bn35.4%+73%

3.2 OPM 64.6%の3つの理由

理由①:研究開発費は過去四半期に計上済み。

Crimson Desertは複数年にわたって開発された。開発コストの大部分はすでに過去の費用として処理されている。ローンチ後は売上高が急増する一方、追加開発コストは小さい。減価償却費が売上高の0.7%にとどまっているのはその反映だ。

比喩:5年かけて建設した工場は建設費をすでに吸収している。稼働を開始すると、売上高だけが発生して新たな建設費がかからないため、マージンが跳ね上がる。

理由②:マーケティングが効率的だった。

マーケティング費₩23.4bnをCrimson Desert売上高₩266.5bnで割ると8.8%。ローンチ四半期としては低い水準だ。オンラインでの口コミが強く機能し、TV・屋外広告で大量出稿する必要がなかった。

理由③:収益認識方式が見かけ上の手数料率を圧縮している。

プラットフォーム手数料₩42.5bnを売上高₩266.5bnで割ると12.9%。低く見えるが、コンソール売上高は手数料控除後で認識されているためだ。Pearl Abyssが実際に支払うプラットフォーム手数料の総額はより大きいが、会計上は費用ラインに全額は現れない。

3.3 核心——稼いだキャッシュの実態は変わらない

3つの理由を総合すると、収益認識がOPMを「高く見せる」光学的効果はあるが、実際に稼いだ金額(営業利益₩212.1bn、純利益₩158.0bn)は認識方式に関わらず強固だ。会計の選択がキャッシュそのものを変えることはない。


4. 会社ガイダンス——初開示が持つ意味

4.1 Pearl Abyssが初めて定量的ガイダンスを発表

韓国ゲームスタジオが年間営業利益のレンジを示す定量的ガイダンスを公表するのは極めて稀だ。これが初の事例となる。

通期(FY26)ガイダンス:

項目レンジ
営業収益₩879.0〜975.4bn
Black Desert₩234.9〜240.6bn
Crimson Desert₩644.1〜734.8bn
営業費用₩391.4〜402.8bn
営業利益₩487.6〜572.6bn
営業利益率55.5〜58.7%

2Qガイダンス:

項目レンジ
営業収益₩271.3〜324.7bn
Black Desert₩47.1〜48.2bn
Crimson Desert₩224.2〜276.5bn
営業費用₩141.7〜148.0bn
営業利益₩129.6〜176.7bn
営業利益率47.8〜54.4%

4.2 この数字が重要な理由

一点目:2Q崖懸念への直接的な反論。

市場最大の懸念は、パッケージゲーム特有のパターン——ローンチ四半期に売上高が集中し、その後急落するというものだった。

会社発表の2Q Crimson Desert売上高:₩224.2〜276.5bn。1QのCrimson Desert売上高:₩266.5bn。

2Q変化率:
下限:224.2 / 266.5 - 1 = -15.9%
上限:276.5 / 266.5 - 1 = +3.8%

**-16%〜+4%——崖ではなく踊り場。**会社の内部データがこのトレジェクトリを示しているとすれば、「1Q限りの一発屋」という物語は説得力を失う。

2Qの営業利益ガイダンスは₩129.6〜176.7bnで1Qの₩212.1bnを下回る。事業の減速ではなく、業績賞与の発生が主因だ。2Q人件費は1Q比でほぼ倍増する見込み。売上高は維持、コストが増加、営業利益が低下——これはコスト構造の問題であり、ビジネスの鈍化ではない。

二点目:通期営業利益₩487.6〜572.6bnは市場の事前期待を大きく上回る。

開示前の暗黙的な市場期待値(〜₩410bn)との比較:

下限₩487.6bn - 事前₩410bn = +₩77.6bn(+19%)
上限₩572.6bn - 事前₩410bn = +₩162.6bn(+40%)

これは単なる「好決算」ではなく、通期EPS推計そのものを引き上げる必要があるシグナルだ。セルサイドがモデルを更新する過程で、バリュエーション作業の出発点——過去の新韓証券目標株価乖離分析も含め——が大きくシフトする。

4.3 ガイダンスをそのまま信頼すべきか

会社は明示的に「このガイダンスは不確実な事業環境における現時点の見積もりに基づくものであり、実績が記載の数字と大きく乖離する可能性がある」と注記している。

ガイダンスが実現するための条件:

  • Crimson Desertが下半期を通じて月50万本以上の販売ペースを維持すること
  • 主要アップデートやディスカウントイベントが販売をサポートすること
  • 営業費用がガイダンスレンジ(₩391.4〜402.8bn)内に収まること

いずれか一つが崩れれば、下限を下回る可能性がある。


5. 予想シリーズからの教訓

5.1 正しかった点

事前分析確認結果
1Q営業利益₩200bn超の可能性✓ ₩212.1bn
OPM ≥45%がキーラインになる✓ 64.6%
収益認識が中心変数✓ 会社がブレンド認識を確認
コスト構造が予想より軽い可能性✓ 営業費用は売上高の35.4%
決算直前「その週最高のサプライズ確率」の主張✓ 営業利益がコンセンサス比+48%

5.2 修正が必要な点

事前前提修正後
売上高₩395.0bn(総額認識寄り)→ 実績₩328.5bn。コンソール純額、PC税控除後純額。-17%乖離
レガシーゲーム売上高₩90〜97bn(EVE含む)→ EVEは非継続事業に分類。継続事業ベースのレガシー = Black Desert ₩61.6bn
1本当たり認識売上高〜₩80,000(総額)→ 実績〜₩66,625(ブレンド)
通期営業利益期待値〜₩410bn→ 会社ガイダンス₩487.6〜572.6bn。上方修正必至

5.3 教訓

**収益認識方式は、ゲーム会社分析で最も予測困難な変数だ。**同じ販売本数・同じ価格でも、会計処理の選択次第で売上高は30%以上変わり得る。一方、営業利益は認識方式による変動が格段に小さい——それが、売上高予想が外れても営業利益の方向感が正確だった理由だ。


6. バリュエーション——会社ガイダンスをベースに更新

6.1 EPS推計

発行済株式数64,247,855株。税後換算率(営業利益→純利益)は1Q実績(〜74.5%)、税率、非継続事業の影響を勘案し70〜75%と仮定。

シナリオ通期営業利益税後換算率純利益EPS
ベア(ガイダンス下限)₩487.6bn70%₩341.3bn₩5,313
ベース(ガイダンス中値)₩530.1bn72.5%₩384.3bn₩5,982
ブル(ガイダンス上限)₩572.6bn75%₩429.5bn₩6,685

検算:ベースEPS = 384.3 / 64.248M = ₩5,982 ✓

6.2 現在株価が示すPER

5月12日終値₩52,800:

シナリオEPS現在株価PER
ベア₩5,3139.9倍
ベース₩5,9828.8倍
ブル₩6,6857.9倍

**現在株価はガイダンス中値ベースでPER 8.8倍を示唆。**割安に見える。市場がマルチプルを低く抑えているのは一つの懸念による——再現性——2026年の利益がCrimson Desertローンチ年の一時的なものであれば、翌年以降は繰り返されない。

6.3 PER × シナリオ グリッド(参考)

EPSシナリオPER 10倍PER 12倍PER 14倍PER 15倍
ベア ₩5,313₩53,100₩63,800₩74,400₩79,700
ベース ₩5,982₩59,800₩71,800₩83,700₩89,700
ブル ₩6,685₩66,800₩80,200₩93,600₩100,300

これはEPSシナリオ×PERマルチプルの単純計算だ。PER 10倍は「単発パッケージゲームの一発屋」的な見方に近く、PER 15倍は「複数の成功タイトルを生み出せるスタジオ」として認められる必要がある。どのマルチプルが市場に評価されるかは、2Qのガイダンス達成、販売継続性、DLC・プラットフォーム展開の発表次第だ。


7. 今後の株価トリガー——時系列順

7.1 近期——セルサイドEPS修正(今週〜来週)

決算・ガイダンス開示を受け、セルサイドがモデルを更新する。会社ガイダンス(₩487.6〜572.6bn)が事前の市場期待(〜₩410bn)を大きく上回っているため、EPS・目標株価の上方修正が相次ぐ見込み。

株価は決算ヘッドラインよりもFY26 EPS修正幅に反応しやすい。

7.2 5月15日——1Q四半期報告書

DART上の正式開示には、コストライン詳細、収益認識注記、貸借対照表の詳細が含まれる。「構造的なコスト軽さ」なのか「一時的なコスト先送り」なのかを識別するための重要なソースだ。

7.3 5月21〜22日——メリッツ証券NDR(Non-Deal Roadshow)

国内機関投資家との1対1・グループミーティング。決算後の機関投資家モデル更新の最初の主要機会。NDR後の機関投資家フローが株価水準をリセットし得る。

7.4 5〜6月——600万本突破発表

現時点の公式最新数字は500万本(4月15日)。600万本加速が確認されればガイダンスの信頼性が高まる。通期Crimson Desertガイダンス(₩644.1〜734.8bn)の達成には継続的なアドオン販売が必要だ。

7.5 8月——2Q決算

最も重要な単一トリガー。2Qガイダンス(営業利益₩129.6〜176.7bn)をクリーンに達成できれば、「1Q一発屋」という物語が大きく後退する。下限を下回ればガイダンスの信頼性が傷つく。

7.6 TBD——DLC・プラットフォーム拡張

Pearl Abyssは「DLCを含む様々な次元での展開方法を研究している」と表明した。確定した計画ではないが、公式の言及がある。有料拡張パックが実現すれば販売サイクルの寿命が大幅に伸びる——CD Projekt Redの『Blood and Wine』(Witcher 3)拡張は本編から約18ヶ月後にリリースされ、タイトルの収益曲線を再延長した事例として参考になる。

パイプライン作品(DokeVはプリプロダクション段階、Plan 8はコンセプト検討中)は長期的なオプションとして残る。現時点でベースケースのバリュエーションに組み込むのは時期尚早だ。

7.7 トリガーまとめ

トリガータイミング重要度
セルサイドEPS上方修正レポート今週〜来週
1Q四半期報告書(コスト注記)5月15日
メリッツNDR(機関モデル更新)5月21〜22日
600万本突破発表5〜6月
2Q決算8月最重要
DLC・プラットフォーム拡張発表未定長期コア

8. 投資テーゼ更新

8.1 従来のテーゼ

「Crimson Desertは予想以上に売れており、市場はその織り込みが遅れている」

8.2 更新後のテーゼ

「Pearl Abyssは1Q実績でCrimson Desertの商業的な軌跡を数字で証明し、通期ガイダンスで「1Q一発屋」懸念を部分的に払拭した。現在株価はガイダンス中値ベースでPER 8.8倍——依然として低い。市場に残る疑念(「この利益は持続するのか?」)が完全に晴れるには、2Qの販売継続、600万本マイルストーン、NDR後の機関投資家による再評価が積み重なる必要がある。本当のアルファは、その疑念が解消されていく過程に宿っている。」

8.3 テーゼ破綻の条件

このテーゼが崩れるシナリオ:

  • 2Q Crimson Desert売上高が会社ガイダンス下限(₩224.2bn)を下回る → 崖シナリオ復活
  • 2Q OPMが45%を割り込む → コスト管理の失敗
  • 600万本マイルストーンが大幅に遅延し、Steam・コンソールのランキングが悪化 → 販売持続性の毀損
  • DLC・アップデート拡張なしの純粋なパッケージ販売にとどまる → PER拡張の道筋が閉じる
  • DokeV / Plan 8の開発スケジュールが大幅に後退 → マルチIPのオプション価値が薄れる

9. 結論

Pearl Abyss 1Q26決算は強い内容だった。営業利益₩212.1bn、OPM 64.6%、コンセンサス比+48%。より大きな意義を持つのは通期ガイダンス——営業利益₩487.6〜572.6bn、2Q Crimson Desert売上高は崖(急落)ではなく踊り場(-16%〜+4%)だ。

市場が数字を消化するにつれ、セルサイドのEPS上方修正、5月21〜22日のNDR、NDR後の機関投資家のポジション組み換えが折り重なって働き得る。現在株価₩52,800 = ガイダンス中値ベースのPER 8.8倍——計算上は割安だ。

しかし「割安に見える」が「割安の確認」になるには検証が必要だ——2Qの販売が維持されるか、600万本が達成されるか、コストがレンジ内に収まるか。その積み重ねが₩7万台を正当化し、DLC・プラットフォーム拡張がそれ以上を解放する。1Qはドアを開けた。ドアの向こうにあるものは、2Qが答える。


FAQ

Q:1QのOPM 64.6%は持続可能か? A:このマージンは3つの効果が重なっている。①過去四半期に計上済みの研究開発費(構造的、持続的)、②ローンチ四半期における効率的なマーケティング(一部は一時的)、③収益認識方式による見かけ上の手数料率の圧縮(構造的)。会社の2Qガイダンスは47.8〜54.4%と1Qより低いが、これは業績賞与の発生によるコスト増が主因であり、ビジネスの減速ではない。

Q:会社ガイダンスをそのまま信頼すべきか? A:会社は「不確実な事業環境における見積もり」と明示している。ガイダンス達成には、①Crimson Desertが下半期を通じて月50万本以上のペースを維持、②主要アップデートが販売をサポート、③コストがガイダンスレンジ内に収まる、という条件が必要だ。一方、これが会社初の定量ガイダンスであること、2Qレンジが保守的(上限でもほぼ横ばい)であることは、信頼性を高める要素だ。

Q:なぜコンセンサス₩143.5bnが実績₩212.1bnとこれほど乖離したのか? A:コンセンサスの中央値は3月末のローンチ後に形成された推計値で、4月の販売データ(500万本突破)やコスト構造を十分に織り込んでいなかった。一部のセルサイド(新韓証券₩254.7bn、メリッツ証券₩275.2bn)は実績に近い推計を出していたが、中央値の更新が遅れた。

Q:売上高が事前予想比-17%なのに営業利益が+3%になるのはなぜか? A:収益認識方式による。コンソールはプラットフォーム手数料を売上高から先に控除するため、売上高ラインが低くなる一方、費用ラインに計上される手数料も少なくなる。マージンが上昇する。同じビジネスでも会計処理の選択次第で売上高が30%以上変わり得る。

Q:2Qガイダンスで売上高が横ばいなのになぜ営業利益が1Qを下回るのか? A:コストが上昇するからだ。1Q実績を受けた業績賞与の積み立てにより、2Qの人件費は1Q比でほぼ倍増する見込み。売上高は-16%〜+4%で維持されるが費用が増加するため、営業利益は低下する。ビジネスの減速ではない。

Q:PER 8.8倍は本当に割安なのか? A:韓国市場平均・グローバルゲームスタジオ比較の両面で低い水準だ。ただし市場は「再現性」という疑問でマルチプルを抑制している——Crimson Desertが単発パッケージゲームにとどまれば、2026年の利益は翌年以降に繰り返されない。PER 8.8倍はその疑念のもとで市場が評価しているマルチプルだ。

Q:最も重要なトリガーはどれか? A:8月の2Q決算。会社ガイダンス(営業利益₩129.6〜176.7bn)をクリーンに達成すれば、「1Q一発屋」という物語を確実に覆す。中間チェックポイントとして、5月21〜22日のNDR後の機関投資家モデル更新の動向と、5〜6月の600万本発表ペースがある。

Q:DokeV / Plan 8 / DLCのうち、どれが最初に効いてくるか? A:短期的にはDLC。会社は「DLCやゲームを様々な次元に拡張する方法を研究している」と公式に明言している。CD Projekt Redの『Witcher 3:ブラッド&ワイン』拡張が本編から18ヶ月以上後にリリースされタイトルの収益曲線を延伸した事例が比較参考になる。DokeVとPlan 8は長期的なオプションであり、現時点でベースケースのバリュエーションに組み込むのは適切ではない。


本稿は調査・情報提供を目的としたものであり、投資助言を構成するものではありません。1Q26数値はPearl AbyssのKIND(KRX)規制当局への開示資料および1Q26決算レターに基づきます。会社ガイダンス(通期・2Q)は会社のIR資料から引用しており、会社は「不確実な見積もりに基づくものであり、実績と大きく乖離する可能性がある」と明示しています。収益認識方式(コンソール純額・PC税控除後純額)は会社のIRレター本文から引用。コストラインの数値はIRレター別紙を参照しています。CCP売却に関連する非継続事業損失は1Qに計上済み;キャッシュ流入効果は2Q以降に本格反映されます。バリュエーションセクションのEPS・PER・シナリオグリッドはアナリスト推計であり、誤りを含む可能性があります。分析は外れることがあります。データ基準日:2026年5月12日 KST。

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