📚 シリーズ 5/6: パール・アビス × Crimson Desert テーゼ — シリーズハブ →
本稿はシリーズ第5回目の記事です。これまでの記事:500万本マイルストーンとフランチャイズ再評価、セルサイドコンセンサスとのギャップ、初期テーゼ、市場が見落としたBDOのセカンドオーダー・カタリスト。本稿は前向きな視点から「1Q26の連結決算は実際どのような数字になるべきか」を、公式販売マイルストーンと既知の4Q25コスト構造に基づいて検討する。
TL;DR
- 中央推計:パール・アビス 1Q26連結売上 KRW 395.0B、営業利益 KRW 205.0B、営業利益率 51.9%。
- 中心的な論拠:会社公式発表「4月1日時点400万本」を踏まえると、1Q認識ユニット数として最も合理的な数字は約395万本となり、レガシーIP(BDO + EVE)は4Q25で確認された安定的な実績を反映してKRW 97.0B前後に着地する。しかし1Q26の本当の変動要因はユニット数ではなく、収益認識の枠組み(本人対代理人)、実現ASP、そしてマーケティング費用とコミッション費用のラインだ。
- 主要不確実性:1Q26四半期報告書の脚注で本人/代理人処理、実際のプラットフォームミックス、実際のマーケティング費用が確認されるまで、この推計には誤差幅が残る。これは外部公開可能な最も守りやすい中央シナリオであり、ポイント予測ではない。
1. 最終結論
1Q26連結推計の最終値:
| 項目 | 中央シナリオ |
|---|---|
| 売上 | KRW 395.0B |
| 営業利益 | KRW 205.0B |
| 営業利益率 | 51.9% |
アグレッシブなグロス単独フレーミング(KRW 430B / 223B)よりは低く、純粋に保守的な混合認識読み(KRW 385B / 195B)よりは明確に上回る。中央値は外部への説明可能性を基準に選択した:どちらの方向の脚注結果が出ても立場が崩れない、最も広いシナリオ耐性を持つ数字だ。
2. 事実 — 外部検証可能なアンカー
2.1 レガシービジネスのベース
FY2025(連結):売上KRW 365.6B、営業損失KRW 14.8B。4Q25:売上KRW 95.5B、営業損失KRW 8.4B。4Q25のレガシーIP売上はBlack Desert KRW 63.0B + EVE KRW 27.3B。4Q25の営業費用内訳:人件費KRW 50.7B、コミッションKRW 19.2B、マーケティングKRW 12.3B。これらの数字が1Q26コスト積み上げの直接的な基盤となる。
2.2 Crimson Desert公式マイルストーン
Crimson Desertは2026年3月20日に発売され、パール・アビスは4月1日時点で400万本、4月15日時点で500万本を公式発表した。この2つの公式数字が1Q26推計の最重要アンカーだ。「4月1日時点400万本」とは、3月31日の会計締め日時点で累計販売本数が400万本に極めて近い水準に達していたことを意味する。
2.3 ユーザー指標とロングテール状況
ローンチ後、Crimson DesertはSteam同時接続数、レビュー、セールスランキングにおいて堅調な推移を維持した。Steam CCUピーク:3月30日に276,261。4月9〜13日のデータではグローバルトップランキングの持続、米国・中国のセールスランク上位定着、直近レビューのポジティブ化が確認された。4月17日時点:24時間ピーク111.4K、現在CCU79.4K、グローバルセールスランキング4位 — これは「崩壊」ではなく、卓越した開幕から始まる通常の減衰だ。1Q26決算は強い数字になるだろう;ただし1Qをそのまま年換算してFYモデルに当てはめるかどうかは、別途より慎重な判断が必要だ。
2.4 会計処理の事実と未解決事項
社内プロジェクトノートおよび外部参照資料は、パール・アビスがプラットフォームコミッションを独立したコミッション費用として計上し、売上をグロス基準に近い形で報告しているという見方を支持している。また、コンソール売上認識がグロスからネットに切り替えられた過去の先例を引用した分析も存在する。R&D資本化の軌跡(FY2024 R&D KRW 132.9B;1H25 R&D KRW 61.2B;無形資産の取り崩し)は、Crimson Desert開発費の大部分がすでに過去のP&Lに織り込まれているという見方を裏付けている。これらは方向性を示す読みであり、1Q26の確認済み脚注の事実ではない。
3. 前提 — この推計の実際の根拠
事実ではない。これはレビュアーが同意または反論すべき前提だ。
3.1 Crimson Desert 1Q認識ユニット数:395万本
4月1日の公式発表400万本に対し、締め日当日の累計販売を390万本よりも395万本に近いと見るのが最も合理的な読み方だ。400万本フル採用はアグレッシブすぎ、385万本は保守的すぎる。中央シナリオ:395万本。
3.2 プラットフォームミックス:PC 52% / コンソール 48%
開示なし。最も争点となる前提だ。PS Storeのトップランキング実績はコンソール比率の高さを示唆し、SteamDB CCUとレビュー量はPC比率の高さを示唆する。どちらか一方に断定するのではなく、中央シナリオでは**PC 52% / コンソール 48%**を採用 — 「おそらくPC優勢」を尊重しつつ「強いコンソールシグナル」を切り捨てない。
3.3 実現ASP(会計基準):約KRW 79.8k
アグレッシブなグロス単独フレームのASPはKRW 83.5k。混合認識の保守的見方では実現ASPがKRW 70k台前半まで低下する。中央シナリオはその中間:ユニット数、プラットフォームミックス、地域別価格設定を加重した約KRW 79.8k(実質≈KRW 80k) — 「グロス寄りの報告売上スタンスは維持するが、KRW 83.5kのフル採用はしない」。
3.4 レガシーIP売上:KRW 97.0B
4Q25のレガシー売上はKRW 95.5B。BDO 10周年イベントとEVEの安定基盤を踏まえると、KRW 93.0Bはやや低く、KRW 100.0Bは上限寄り。中央シナリオ:KRW 97.0B。
3.5 人件費:KRW 52.0B
4Q25の人件費はKRW 50.7B(一時的なリストラとQA人員拡大を含む);1Q25はKRW 49.0B。1Q26はローンチ四半期でオペレーション・CS・パッチ対応の人員が増えるが、4Q比で大幅に超過するのはアグレッシブすぎる。中央シナリオ:KRW 52.0B — KRW 49.0Bより現実的、KRW 54.5Bより保守的。
3.6 マーケティング費用:KRW 30.0B
1Q26の営業利益を最も大きく左右する単一要素。KRW 14.0Bの前提は明らかに低すぎ;KRW 34.0Bが上限。KRW 25.0Bは合理的な中間値だが、4Q25のKRW 12.3Bや1Q25のKRW 7.3Bと比較すると、AAAローンチ四半期はそれを上回ることが十分ありうる。中央シナリオ:KRW 30.0B — 最も守りやすい中間値。
3.7 コミッション費用:KRW 76.0B
このラインは認識枠組みによって大きく変動する。グロス単独ではKRW 87.5Bに達しうる;混合認識が重くなれば約KRW 70.0Bまで低下する。重要な点として、営業利益への影響は収益認識の選択と部分的に相殺される — コミッションと報告売上は連動して動く。中央シナリオ:KRW 76.0B(グロス単独と混合の中間)。
3.8 D&A + その他:KRW 32.0B
4Q25:D&A KRW 5.9B + その他KRW 15.8B = KRW 21.7B。ローンチ四半期にはサーバー、CS、物流、アウトソーシング、パッチ対応コストが加算されるが、KRW 34.5Bはアグレッシブすぎ;KRW 23.0Bは低すぎる。中央シナリオ:KRW 32.0B。
4. 計算過程
4.1 Crimson Desert売上
- 認識ユニット数:395万本
- 実現ASP:KRW 79.8k
→ 3.95M × 79.8k = KRW 315.2B
4.2 総売上(グロス計算)
- Crimson Desert:KRW 315.2B
- レガシーIP:KRW 97.0B
- 計算値:KRW 412.2B
外部公開可能な中央シナリオとして、3月31日締め日のケイデンスと本人/代理人の不確実性を反映するため約KRW 17.2Bの安全マージンを差し引く:
→ KRW 412.2B(計算値)→ KRW 395.0B(中央シナリオ)
この区別は重要だ:計算上の上限は「グロス寄りの前提に基づく帳簿上の数字」であり、中央シナリオは外部への説明に耐えられる数字だ。
4.3 営業費用
- 人件費:KRW 52.0B
- マーケティング:KRW 30.0B
- コミッション:KRW 76.0B
- D&A + その他:KRW 32.0B
- 合計:KRW 190.0B
4.4 営業利益
- 売上:KRW 395.0B
- 費用:KRW 190.0B
- 営業利益:KRW 205.0B
4.5 営業利益率
205.0 ÷ 395.0 = 51.9%
最終中央シナリオ:
- 売上:KRW 395.0B
- 営業利益:KRW 205.0B
- 営業利益率:51.9%
5. このフレームを採用する理由
5.1 ユニット数よりも会計構造が重要
1Q26決算は「ゲームが優れているかどうか」よりも、どの会計フレームが収益を捉え、費用がどこに落ちるかの問題だ。社内モデルの一部はKRW 430B / 223Bに達するものもあるが、より重要なドライバーは収益認識処理とコミッション・マーケティング費用の実際の水準 — ヘッドラインのユニット数ではない。
5.2 グロス単独でも混合認識でもない答えを無理に採用しない
グロス単独はシンプルで説明しやすいが、アグレッシブだ。混合認識には先例の裏付けがあるが、1Q26の脚注では未確認だ。中央シナリオはそのため、報告売上をグロス寄りに保ちつつ、ASPと費用に保守的なディスカウントを適用する — 最も守りやすい中間路線だ。
5.3 営業利益はKRW 200Bを超えるが、KRW 225Bはまだ上限ゾーン
プロジェクトのアグレッシブなベースケースはKRW 223B付近;ある外部計算ではKRW 225.8Bに達するが、リスク調整後は約KRW 210Bまで低下する。純粋に保守的なKRW 195.0Bの読みも間違いではないが下限だ。最も守りやすい中央値はKRW 205B付近だ。
6. 感度分析とフレーミング
6.1 守備的バンド
| ゾーン | 売上 | 営業利益 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| 保守的下限 | KRW 385B | KRW 195B | 収益認識リスク上振れ+マーケティング費用増 |
| 中央シナリオ | KRW 395B | KRW 205B | 外部共有ベースライン |
| 上位中間 | KRW 400B | KRW 210B | 混合認識が有利方向に振れた場合 |
| アグレッシブ上限 | KRW 400–410B | KRW 220–225B | グロス単独+費用下限 |
6.2 外部共有時の推奨フレーミング
「1Q26のベースは売上KRW 395B、営業利益KRW 205Bを中央シナリオとするが、脚注と実際の費用ラインが開示されるまで、営業利益のレンジはKRW 195〜225Bとして扱うべきだ。」
このフレーズが現時点で最も守りやすい表現だ。
7. 残存する不確実性
事実として未確認 — いずれも5月の決算発表・四半期報告書で解消される予定:
- 1Q26の本人/代理人脚注処理
- プラットフォーム別販売ユニット数
- 実際の返金率
- 実際のマーケティング費用
- 実際のコミッション費用
- 3月31日締め日における認識ユニット数
現在の中央シナリオは、これら6項目が公開される前の時点での最良の中間点だ。
8. 最終一文
パール・アビス 1Q26中央シナリオ:売上KRW 395.0B、営業利益KRW 205.0B、営業利益率51.9%。
この数字は、Crimson Desertの2つの公式マイルストーン(4月1日時点400万本、4月15日時点500万本)と4Q25のコスト構造を基盤に、会計フレームの不確実性とマーケティング・コミッション費用の不透明性に対して保守的な調整を加えたものだ。アグレッシブなグロス単独シナリオよりも低く、最も保守的な混合認識読みよりも高い位置にあり、現時点で最も説明しやすく、最も守りやすい数字だ。
本稿はリサーチおよびコメンタリーであり、投資アドバイスではありません。ポジションは予告なく変更される可能性があります。データは2026年4月21日 KST時点のものです。