このブログはどう作られているのか — オープンソースのリサーチOS「Thesis OS」を公開します

Korea Invest Insights の記事は、人が一本ずつ手書きしているのではなく、「Thesis Investment OS」という仕組みを通して作られています。証拠を集めるアルファ(Alpha)、その証拠から判断を組み立てる格子(Lattice)、システム全体を保つアーキ(Arki)—この三つの役割が噛み合って動くオープンソースのリサーチOSです。本稿ではその構造をやさしい言葉で紹介し、GitHub リポジトリへご招待します。

🔗 リポジトリへ: github.com/youngseongshin/thesis-investment-os — このブログのリサーチを動かすオープンソースの仕組み

今日の記事はいつもと少し違います。銘柄の話ではなく、このブログの記事がどう作られているかという話です。舞台裏を少しお見せします。

Thesis Investment OS のアーキテクチャ — アルファ・格子・アーキの三役が噛み合って動くリサーチOSの構成図

記事一本ができるまで

Korea Invest Insights の記事は、人が白い画面の前で思いつきで書いているわけではありません。その背後で Thesis Investment OS という小さなOSが動いています。名前は大げさですが、考え方は単純です。

投資判断を目に見える形にし、検証できる形にし、自分の成績に正直であるようにする。

これは自動売買ボットでも、シグナルを売るサービスでも、「AIが銘柄を当ててくれる」ものでもありません。散らばった市場情報を一つの論拠(thesis)にまとめ、その論拠が後で当たったか外れたかまで振り返れるようにする枠組みです。

この構造は三つの役割に分かれます。人にたとえれば、一つのチームの三人だと思ってください。


1. アルファ(Alpha)— 証拠を集める人

アルファは事実を集めて検証する役割です。

  • 価格、出来高、需給、ファンダメンタルズ、開示などの定量データ
  • ニュース、開示、決算説明の内容、コミュニティの兆候などの定性データ
  • スクリーナーで候補を絞り、文脈を重ねて「見るに値する銘柄」を浮かび上がらせる作業

アルファが生み出すのは、証拠記録、市場スナップショット、ザラ場のアラート、スクリーナー候補、そしてリサーチパケットです。一言でいえば、「何が起きたか」を正直に積み上げる人です。まだ判断はしません。材料だけを集めます。


2. 格子(Lattice)— 証拠から判断を組み立てる人

格子という名前は、チャーリー・マンガーが説いた「思考モデルの格子状の組み合わせ(latticework of mental models)」から取りました。

アルファが集めた材料を受け取り、実際の投資判断に変える役割です。

  • 論拠を登録し、意思決定カード(decision card)に整理する
  • あえて反対側に立って検討する悪魔の代弁者(devil’s advocate)レビューを通す
  • 予測を予測台帳(prediction ledger)に記録し、時間をおいて当たったかを振り返る

ブログで皆さんが読む「結論はこうだ」「これは事実、これは推測」という構造は、まさに格子から出てきます。要は判断は下すが、その判断を後から採点できる形で残すことが肝心なのです。


3. アーキ(Arki)— システムを保つ人

アーキは最も目立たない役割であり、おそらく最も重要な役割です。システム全体が健やかに回るように保つ役割です。

  • データを収めるスキーマと、保存の構造(vault layout)を定義する
  • 繰り返し動く作業(recurring jobs)を管理し、ヘルスチェックを回す
  • 変更履歴(migration log)を残し、各役割の権限とルールを管理する

システムを家にたとえれば、アルファと格子が働いている間に、電気・水道・暖房が止まらないように見守る人です。華やかではありませんが、アーキがいなければ残りの二人も長くは持ちません。


この三役が生んだ成果 — 実際の例

言葉だけでは抽象的なので、最近この仕組みを通って出てきた記事を二本ご紹介します。

どちらの記事も「これは事実(Fact)、これは推論(Inference)、これは推測(Speculation)」を分けて書きます。その習慣こそ格子が強制する構造であり、その事実を支えるデータはアルファが集めたものです。


なぜわざわざ公開するのか

リサーチを長く続けると、いちばん怖いのは「自分が以前に何と言ったか思い出せないこと」です。良さそうな論拠はいくらでもありますが、それが本当に当たったかを振り返るのは面倒で居心地が悪い。だから多くの分析は一度書いて忘れられます。

Thesis OS はその居心地の悪さをあえてシステムの中に組み込みました。すべての判断に証拠を付け、すべての予測を記録し、後ですべてを採点します。完璧だからではなく、外れたときにそれが見えるように作られているのです。

この仕組みはローカルで動くように設計されています。同梱のサンプルデータを使えば、API キーも証券会社のログインも有料データの購読もなしに、一度試せます。ライセンスは MIT、Python 3.10 以上が必要です。

そして、この仕組みが記事を送り出す窓口がまさに三つ。いまお読みのブログ(Korea Invest Insights)テレグラム @korea_invest_insights、そしてSubstackです。


どうぞ覗いてみてください

本稿の目的は自慢ではなく、お誘いです。投資リサーチをもっと正直に、もっと検証可能にできないかと考えたことがあるなら、一度覗いてみてください。

コードをすべて読む必要はありません。README をざっと眺めるだけでも、「ああ、このブログ記事はこういう風に作られているのか」という感覚がつかめるはずです。

👉 github.com/youngseongshin/thesis-investment-os

スター(star)を押していただいても結構ですし、構造を眺めるだけでも構いません。舞台裏を開いてお見せした理由はただ一つ。このブログの判断がどこからどう生まれているのかを、皆さんご自身で確かめられるようにするためです。


免責事項:本稿は個別化された投資助言ではなく、公開情報に基づく分析です。紹介したオープンソースの仕組みはリサーチのための道具であり、投資判断とその結果の責任は投資家ご自身にあります。

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